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シナリオ詳細

エメラルドグリーンの海を君と

完了

参加者 : 2 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●キラキラと輝く海、白い砂浜。そして――
「うわぁ……!」
 目の前に広がった光景に、アニー・メルヴィル (p3p002602)が目を輝かせて感嘆の声を上げる。
 8月も終わりとは言え、照り付ける日差しはまだ夏を感じさせる。
 そんな日差しの下で濃い緑の木陰から見る誰もいない砂浜は、正に極上のプライベートビーチ。
「凄いよ零くん! 海が本当にエメラルドグリーン!」
「本当だな! 砂浜も綺麗だし、不思議な現象が起きているなんて信じられないな」
 寄せては返す透明な波は穏やかで、人の気配もなければ不穏な気配もない。だけど二人は遊びに来たわけではなかった。
「少人数じゃないと観測出来ない不思議な現象……。何が起きるのかな……」
 不安そうに眉を寄せたアニーを安心させるように、上谷・零 (p3p000277)がアニーの肩に手を……あ、戻すの!? あ、やっぱり頑張る? あ、でもおろしちゃうの!?
 結論、隣に立って明るく笑いかけるだけでした。
 いや、仕方ないね。零はアニーが作ってくれたお昼ご飯の入った籠を持っている。愛情込めて作ってくれたご飯を放りだすわけには行かないんだ!
「大丈夫。何が起きてもアニーは俺が守るから!」
「零くん……!」
 海洋での戦いで、戦う勇気と戦う力を、大切な人を守れる力を得た零の言葉は力強い。
 アニーの頬は日差しや暑さ以外の理由で熱くなる。
「うん……。じゃぁ何かあったら零くんに守って貰うね」
 嬉しそうに笑うアニーに零も嬉しくなった。
「それじゃぁ、早速着替えて海に入ろうか!」
 嬉しいけど恥ずかしい。
 そんな思いを誤魔化すように、教えられたコテージに向かう。
「コテージも素敵だね!」
 景観を壊さないようにシンプルに、だけど使いやすさを重視したコテージは、広々としたリビングキッチンと寝室に分かれている。
 今回の依頼は一泊二日なので、夕飯と明日の朝食は用意してある材料を好きに使って良いと言われている。
「練達みたいな台所だな」
 使いやすさを重視しているおかげか、キッチンの設備は充実している。これはご飯を作るのもわくわくしそうだ。
「寝室はツインか。布団ふかふかだな」
 アニーがキッチンを見て回っている間に寝室に入った零は気づいた。
 寝室は一つ。
 幸いベッドは二つだけど寝室は一つ。
「マジ……!?」
 ワクワクドキドキが詰まった二人だけの不思議現象調査が今始まる!

NMコメント

 リクエスト有難うございます!
 まだまだ暑い中、二人っきりでドキドキ一泊二日りょこ……ではなく、不思議現象が起きる海の調査です!
 一体どんな不思議現象が起きるのか……!

●目的
・海で起きる不思議現象の調査。もとい海を頼む。
 分かっているのは「少人数で行ったときした起きない」ということだけ。
 怪奇現象か、それとも幻想的な一時か……。
 何か起きるか、何が原因なのかも分からないので、依頼人からは「特に何も起きなかったら楽しく遊んでくれたら良いよ」との事です。

●場所
・綺麗なプライベートビーチ
 海で遊ぶのに必要な物は一式揃っています。
 疲れたら砂浜に設置されたビーチチェアーで一休みしましょう。
・コテージ
 シンプルだけど使い勝手の良いコテージ。
 冷蔵庫には新鮮な食材がぎっしり。あ、パンを用意し忘れたけどなんとかなるよね!
 夏の思い出作りに手持ち花火セットも用意されている。
・ちょっとした洞窟
 岩場のほうにある全長5、6mの洞窟。
 ひんやりした空気と、ワクワクする雰囲気が冒険心を刺激する。
 奥にはちょっとした湧き水が。

●その他
・迎えは二日目の昼頃に来ます。
・発見したことや感想があれば教えてあげると依頼人も喜びます。
・なので思いっきりイチャイチャしてください。じゃなかった。楽しんでくださいね!

  • エメラルドグリーンの海を君と完了
  • NM名ゆーき
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年09月17日 23時55分
  • 参加人数2/2人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 2 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(2人)

零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
アニー・K・メルヴィル(p3p002602)
零のお嫁さん

リプレイ

●一日目
 波の音を聞きながら、水着に着替えた『伝える決意』上谷・零(p3p000277)は右手首につけたブレスレッドを弄っていた。
(アニーと冒険。しかも二人きりでお泊り……! 幸せすぎて死ねる……!)
 そう、今日は想いを寄せる相手と二人っきりで無人島探索を頼まれたのだ。しかも一泊二日! 海で水着姿!
 果たして零は、ドキドキ的な意味で無事に帰れるのだろうか……。
「零くんおまたせ……」
 着替え終わったら『お花屋さん』アニー・メルヴィル(p3p002602)が声をかけると、振り向いた零は一瞬で真っ赤になった。
 今年のアニーは攻めな水着。大胆に胸元を見せる赤い水着は、零には刺激が強すぎたようだ。
「零くん!?」
 アニーが慌てて駆けよれば、身長差から大胆に開いた胸元が見える。
「だ、大丈夫だ……! それより、どこから調べようか?」
 恥ずかしさでアニーを直視できずに、零は海に視線を逸らす。
 今回の依頼、何か素敵なことが起こるんじゃないかと心の奥で期待していたアニーは、零の態度に似合わなかったかと一瞬ショックを受けるが、すぐに赤くなった頬と耳に気づいて嬉しくなった。
「確か海と洞窟があるんだよね。まずは洞窟に行ってみようよ」

 洞窟を覗き込むと、光差し込まない場所は暗い。コテージから持ってきた懐中電灯で照らせばある程度は見えるが、照らされた場所以外は暗く進むのに勇気がいる。
「見た目以上に暗いな……」
「ちょっと怖い……」
 ごくりとつばを飲み込むと、零の手をアニーの手が包み込む。
「零くん、腕……掴まってていい……?」
「あ、あぁ、好きなだけ捕まってるといいさ」
「うん……ありがとう……」
 腕に感じるアニーのぬくもりと柔らかさにドキドキしながら慎重に進んでいると――ぴちょん。
「ひぁんっ!?」
「!?」
 天井から落ちてきた物が背中に当たり、アニーがびくん! と揺れる。そしてその声に零も一瞬びくっと震えた。
「ななななななに!? 何が起きたの!?」
 懐中電灯の光を天井に当てればいくつもの水滴が出来ている。どうやら天井に溜まっていた水が落ちてきただけのようだ。
「良かった……。びっくりしてヘンな声出しちゃった」
 びっくりさせてごめんね。と謝ると、零はほっと肩の力を抜く。
「雫だったか……ならよかった」
 安心した所で歩みを再開する二人。
 奥には何があるのかな? なんて話しているときらりと光るものが。
「なんだろう……」
 恐る恐る近づくと、そこには絶えることなく湧き出る清水が光を反射してゆらゆらと揺れていた。
「わぁ……! 零くん湧き水だよ! 湧き水飲んでみようよ!」
「おぉ、湧き水か! 良いな、飲んでみよう!」
 ひんやりと冷たい湧き水を口に含めば、すっきりとした味が体中に染み渡った。

 アニーお手製のランチでお腹を満たした後は、エメラルドグリーンの海を二人占め!
「そう言えば零くんは泳げるの? 私、バタ足くらいしかできないけれど大丈夫かな? あ、普通に浮いたり潜ったりするのはできるよ!」
 えっへん。とばかりに胸を張るアニーに、零は微笑ましい気持ちになる。
「もしアニーが溺れたらすぐに俺が助けるよ。大丈夫さ、これで俺もライフセイバー出来る程度には泳げるしな」
「えええ! ライフセーバーできるってことはそこそこ……ううん、かなり泳げるってことだと思うんだけど……少なくとも私よりはすごく!」
「まぁ凄く泳げるって程じゃぁねぇけどアニーをサポートするぐらいは問題ないぜ?」
 照れくさそうに頬を掻く零に、アニーは尊敬に目を輝かせる。
「それにライフセーバーって救命措置の技術も必要になってくるものね。零くんすごい……!!」
 大好きな人の新たな一面を知ることができるのはとても嬉しい。そしてその新しい一面が、今まで見たこともない逞しさでアニーのときめきが止まらない……!
(海で溺れることはなさそうだけど、彼に溺れてしまうかもしれない……。その時はどうしよう? 人工呼きゅ………わあぁぁん私はさっきから何を考えてるの!?!?)
 一人で赤くなって挙動不審になるアニー。零はくるくると表情が変わるアニーを心配しつつも、惚れた弱みなのかそんな姿も可愛くて仕方がない。
 落ち着いた二人が海で遊べたのは夕暮れ前だった。


 昼間の暑さは風に消え、夜の海は静かに波の音が響く。
「夜の海ってのも良いもんだよな」
「うん。月に照らされた海って素敵ね」
 寄せては返す波の中、星空を映して海が煌めいている。いや、星空ではない。あれは――
「零くん! 海の底、何か見える!」
 アニーが指さす先、海の底でオーロラのようなものが揺らめいている。
「海の底? ほんとだ」
「不思議な現象ってあれかな?」
「だろうな、多分あれが不思議な現象に違いねぇ」
 誘うように揺らめく海中のオーロラ。それを間近で見たいと思うのは好奇心ゆえか。
「そうだ、折角だし近くで行こうぜ……! 怖いならやめとくけど……」
 行きたい。だけどアニーの気持ちを尊重したい。そんな零の言葉にアニーはそっと微笑む。
「近くまで行くの? ううん、怖くないよ。零くんが一緒だから。どこまでも連れてって」
 零と一緒ならどこに行っても怖くない。そんな気持ちで零の手を握りしめると、零もそっとアニーの手を握り返す。
「……なら、どこまででも君を連れてくさ!」
 二人手を取り合ってオーロラの所まで泳いでいく。だけどオーロラまでは遠く、たどり着くまで素潜りで息が続くか……。
 コポリとアニーの口から酸素が零れる。一度上がるべきかと悩んだ零だが、アニーに手を引かれて更に進んでいく。
 大丈夫なのかと心配した零は、すぐにアニーが先へ進んだ理由に気づいた。
 水中なのに苦しくない。呼吸が出来ている。
 大丈夫でしょう? とばかりに微笑むアニーに笑い返すと、二人手を繋いでオーロラの元へと向かた。
 ゆらゆらと揺れるオーロラの中、アニーの真白の髪がオーロラ色に染まる。
「綺麗だ」
 思わずぽつりと零の口から零れた言葉に、アニーは嬉しそうに、恥ずかしそうに微笑む。
「ね、ちょっと踊ってみない?」
「喜んで。……俺の人魚姫」
 ちょっと気障に決めてみれば、アニーはくすぐったそうに微笑んで零の手を取る。
「ふわんふわんしてて不思議な感覚だね」
 揺れるオーロラに合わせて、海の中で二人だけのダンスパーティ。
「零くん……大好き……!」
 幸せな気持ちがいっぱいになって、好きが溢れる。その気持ちを素直に言葉に出来るのは、オーロラの魔法だろうか。
「アニー……! 俺も、大好きだ!」
 嬉しくて幸せで、二人だけだから起きた怪奇現象。
 オーロラの魔法は後で依頼人にも教えるとして、今はこの魔法を楽しもう。

●おまじないを貴方に
 怪奇現象の調査も終わったので、後はゆっくり過ごすだけ。
 そう思ってコテージに戻って来た寝室で二人はガチガチに緊張していた。
 幸いベッドは少し離れているとは言え、少し灯りがあればお互いの顔が見える距離。
「あ、明日は何しようか」
「海は今日いっぱい遊んだし、ゆっくりするのはどうかな?」
 他愛ない話をしながらも、お互いの顔を見てはドキドキ。だけど今日一日の疲れにいつの間にか睡魔は訪れ、寝室に静寂が訪れた。

 潮の香が切欠か、かつてその身を蝕んでいた呪いがむくりと鎌首を擡げる。
 呪いは解けたはず。解けたはずなのに、零の体がどろりを溶ける。
「い、ぎゃ……ッ!?」
 がばりと身を起こした零は、荒い呼吸のまま、震える手で自分の体を確かめる。
 どこも溶けていない。溶けていないはずだ。
(なんで今死兆で溶ける悪夢が……。くっそ、慣れねぇ……)
 終わったはずの悪夢に必死に耐えていると、ふと温かい物が零の背中に触れる。
「どうしたの零くん……。すごい汗だよ……? 怖い夢を見たの……?」
 零の叫び声で目を覚ましたアニーが心配そうに零の背中を撫でていた。
「あ……ご、ごめ……おこ、した?」
「ううん。大丈夫。それより……何か不安なことがあるの……?」
 温もりに強張っていた体が少し解れる。
「不安じゃ……いや、不安、だな」
 アニーがすぐ傍にいるのが幸せで、その幸せが消えそうで怖い。
 小さく震える零を見て、アニーがそっと零を抱きしめ撫でる。
「じゃぁ……おまじないをかけてあげる……。もう大丈夫……だから、このまま、おやすみなさい……」
 零が安心して眠れるようにと優しく撫でると、零は驚きながらも温もりを求めるようにアニーを緩く抱きしめ返す。
「ありがとアニー……お休み……」
 抱きしめた温もりを縁に、零は再び眠りについた。

●二日目
 爽やかな朝の日差しの中、零はアニーの作ってくれた朝食を前に真っ赤な顔俯いていた。
「おはよう零くん、よく眠れた?」
「……よく。眠れました、はい……」
 アニーの温もりに安心してぐっすり安眠した零をみて、アニーはほっとした。
「なら良かった。今日は最終日だし。美味しい料理を作ってぱぁーっといこうよ!」
「そ、そうだな! 最終日だしぱーっといこうか!」
 朝食を食べ終えたら二人でコテージのデッキ上で大きいを置いて、材料を揃えて調理開始!
 折角の海なので、焼きそば、イカ焼き、浜焼きなどなどともかく海尽くし!
 豪快に鉄板の上で焼きそばを焼く零の横で、アニーは七輪で牡蠣や蛤の浜焼き。
「零くん、はい、あ~ん」
 熱々の浜焼きを少し冷まして口元に持っていけば、零は照れながらも食べさせて貰い、蛤の美味しさに頬が緩む。
「美味しい!」
「良かったー」
 嬉しそうに笑うアニーに、今度は零がお返しのあーん。
「ほら、アニーも! あーん!」
 一口分の焼きそばを差し出せば、アニーも赤くなりながら食べさせて貰うのだった。
「……いや、誰がどう見ても付き合ってるよね?」
 邪魔しないように遠くから見守る案内人の呟きに返す者は誰もいないが、まだ付き合っていない二人だった。

成否

成功

状態異常

なし

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