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シナリオ詳細

<青海のバッカニア>海老海老大車輪地獄変

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●えびえびだいしゃりん
 アベックがいた。
 いちゃこらするアベックである。
 冬の海は冷たいけど二人の愛でほかほかにしちゃお☆ とか言ってるアベックである。 かれらがむちゅーってしようとしたその途端。
「エビドリャアアアアアアアアアアアアアアア!!」
 右から左に駆け抜ける巨大な車輪!
 否!
 巨大な車海老がアベックを『ぷち☆』てやっていったのである。
 そう、これこそが海洋王国南方の海域にやたら発生するというシーモンスター!

「海老海老大車輪である!」
 両手を腰の後ろに組み、海洋沿岸警備隊イタマエアイランド支部所属、ワニワーニング船長はでかい口を限界まであけて叫んだ。
「毎年海老海老大車輪発生の時期になると我々海洋警備隊がそこそこのやる気を出しそこそこの戦力でそこそこに撃退しそこそこ出なくするのが恒例だが……今年はそうはいかん!」
 そうだな!? と振り返る船長。
 秘書官の女性がメガネをくいっとやって肯定した。
「今年は実に二十二年ぶりに発令された『大号令』……外洋遠征に向け我々海洋警備隊も少なからず戦力を投入することになるでしょう。そんな折」
「そんな折!」
 解説を任せたかと思ったらすぐに取り戻す船長。
「海老海老大車輪が港を爆走して船が出せなくなっては一大事。船員が対応に追われたり留守中海老衝突事故が起きれば大惨事! こう……こ……こう、ご……」
 なんだっけ!? と振り返る船長。
 秘書官の女性がメガネをくいっとやった。
「後顧の憂いをたつ」
「そう! こーこのうれーをたつのだ! 今こそ、『いつもそこそこ』をモットーに生きてきた我らの秘められし全力を出す時! 具体的には……具体的には!?」
 なにするんだっけ!? の船長。
 メガネくいってやる秘書官。
「ローレットに相談です」

●海老がりじゃい!
「そんなわけでボクたちにもお仕事が回ってきたのです」
 こちらイタマエアイランドのファミレス。
 お刺身キャンペーンなるメニュー表を開いて、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はやってきたウェイトレスに『まぐろのおさしみください!』とか注文していた。
「今も海洋警備隊の皆さんはそこそこの戦力を投入して海老海老大車輪狩りを行っていますが、今年はより多くの海老海老大車輪をかりとって外洋遠征における不安を払拭しておっきたいということなのです。
 ボクたち以外にもいくつもの傭兵やなんでも屋や海老漁師たちが島に上陸しては外注された海老海老大車輪狩りに勤しんていることでしょう」
 ユリーカはぐっと拳を握ってみせた。
「ボクたちも負けてはいられません! 相談とごはんを終えたらすぐに現場に出て、海老海老大車輪狩りを始めるのです! あ、お醤油とってください!」

 海老海老大車輪とは全長1~2m程度の車海老である。
 11月になると繁殖のために上陸し、メス海老海老大車輪への求愛行動として陸上をとんでもない速度で爆走するのだ。
 それも車輪状になってジェット噴射で転がりまくるほどよいオスとみなされるらしく、海老海老大車輪たちはそれはもう張り切って爆走することだろう。
「海老海老大車輪は音も見た目もめだつので、街の高いところからぼんやーり見ていればすぐに居場所がわかるのです。重要なのは、捕まえるところなのです!」
 海老海老大車輪はとんでもない機動力で走り抜ける。
 なので、先回りしてブロックする係と追いかけ回して誘導する係に別れ挟み撃ちにする必要が出てくるのだ。
 誘導のしかたや通せんぼのしかたによっては逆上した海老海老大車輪に激しい体当たりを食らったりと危ないめにあうこともあるだろう。
「海老海老大車輪狩りはそれなりに危険な仕事……みなさん、気をつけて行ってきてください! あ、まぐろこっちです!」

GMコメント

●重要な備考
<青海のバッカニア>ではイレギュラーズ個人毎に特別な『海洋王国事業貢献値』をカウントします。
 この貢献値は参加関連シナリオの結果、キャラクターの活躍等により変動し、高い数字を持つキャラクターは外洋進出時に役割を受ける場合がある、優先シナリオが設定される可能性がある等、特別な結果を受ける可能性があります。『海洋王国事業貢献値』の状況は特設ページで公開されます。

■依頼内容:海老海老大車輪をできるだけ沢山倒す
 今回イレギュラーズは外洋遠征に向けての大掃除として、海老海老大車輪狩りを外注依頼されました。
 内容は漠然と『できるだけ沢山倒して欲しい』というものでしたが、作業の重さからして全員で手分けして4体くらい倒せたら充分といったところでしょうか。

■なにかと便利な『担当わけ』
 推奨というほどではないですが、今回は担当わけをしておくと便利です。
 というのも、海老海老大車輪を倒すには『誘導係』と『封鎖係』のふたつに分かれるのが効率的だからです。
 また、誰と誰がコンビになるかは海老海老大車輪を見つけた場所とタイミング次第なので、あえてコンビを決めずに係だけ決めておくのがオススメです。
 人数比率は別に4:4とキッチリわけず2:6くらいでも構いません。ただ0:6とか極端にならないようには注意しましょう。

■海老海老大車輪のおそろしさ
 4体くらい倒せればいい、という話をしましたが海老海老大車輪は凄まじいスピードで走るだけでなくそのジェット推進を攻撃に転用した海老海老大車輪地獄変アタックが非常に強力で、場合によっては激しいダメージを受けたりパンドラが削れちゃうこともままあるでしょう。
 そういったダメージも計算にいれつつ、追い込みをかけてください。

■フィールドは街
 イタマエアイランドは飲食店がとても多い街です。
 そこそこ栄えた街で建物も多く、道路もわりと舗装されています。
 海老海老大車輪はそんな道路や小道や時としてひとんちの庭なんかを駆け抜けていくことでしょう。

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • <青海のバッカニア>海老海老大車輪地獄変完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年12月06日 22時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
泳げベーク君
ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
マリナ(p3p003552)
マリンエクスプローラー
ハッピー・クラッカー(p3p006706)
爆音クイックシルバー
ソア(p3p007025)
無尽虎爪

リプレイ

●駅馬車を運転しててね、深夜だから誰ものってないと思い込んでえっびえびえびえびぐるまーて歌ってたら後ろから小声でおりまーすって
「ジェットですとこんにゃろうー!!!! まーけてられっかよおらぁー!!こちとら5連装【ハッピーちゃんロケット】じゃ!!!ミ☆」
 うりゃーといいながら無意味にらせん飛行を繰り出す『爆音クイックシルバー』ハッピー・クラッカー(p3p006706)。
 ハッピーがおかしな挙動をするのは今に始まったことじゃあねえので普通に対応していると、『蒼海守護』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)が横で街のパンフレットを広げていた。
「え、えび……えびえび、だい、しゃりん? それが名前なんですか?」
「そうだな。車海老地獄大車輪と同じエビパンジャン族の海洋生物だな」
「えび……ぱん……?」
 『風読禽』カイト・シャルラハ(p3p000684)がいかにも世の常識だよみたいな口調でいうもんで、ココロの心象背景がいっきに宇宙になった。エビの飛ぶ宇宙である。
「まあ混沌世界ってのはいろんな生物がいてそれぞれが複雑な生態系を維持してるからな。土地や環境による変化も激しいし、呼び方も土地によって違ったりするもんだ。まあ、同じエビだとしたらだいぶウマいと思うぞ」
 海洋に暮らしていてもよく知らん生物がいる。
 というのは、日本で暮らしてても知らない日本語生物や食文化がある、みたいな話である。ジャパンの規模でそれなのだから、混沌世界の規模じゃあどんだけ未知の生物がいるかわかったもんじゃあない。
 が、どれも見たことがない人からすると……。
「これがきっとクルマエビなんだね! シーフードよく知らないから勉強になっちゃった、ヤッター!」
「「…………」」
 『雷精』ソア(p3p007025)みたく情報を丸呑みするのが常である。
 ココロとカイトは『このまま放っておいたら面白そう』という気持ちと『一般的なクルマエビを教えといたほうが本人のためでは』という気持ちがせめぎ合って、なんともえいない表情を形作っていた。

 その一方。
「大きな海老で御座いますね。なんて、美味しそうな……」
 とかいいながら『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)がゆっくりと振り向いていた。
 振り向く先には『砂竜すら魅了するモノ』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)。
「つまり、鯛焼きで海老を釣るので御座いますね?」
「なんで僕を見ていうんですかね。
 僕はエビなどで釣られません。釣られませんよ。僕は釣る側です。
 いや、鯛で釣るって言うよりはたい焼きスメルで釣るんですけど。この体臭どうにかなりませんか。
 ので。僕はエビでなど釣られ……」
 と早口で語るベークの口元にガッとお椀を差し出す『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)。
 めちゃくちゃ彫りの深いシリアススタイルの顔で、背景に『おあがりよ!』て書いてあった。
「まずは腹ごしらえだ。エビとイカのシーフードドリアだぜ」
「おいひい!」
 秒で釣られるベークであった。
「エビでこの旨さ。海老海老大車輪ともなったらきっと高級食材並のアレですよ。可食部も多いでしょうね……」
 『マリンエクスプローラー』マリナ(p3p003552)が海老海老大車輪から作られる料理の数々に思いをはせた。
 エビドリア。エビチリ。エビチャーハンにエビマヨピザ。エビフライやエビカツもいい。新鮮ならエビの刺身もいけるはず。
 そして振り返る、マリナ。
「そしてデザートは……鯛焼きですかね」
「なんで僕を見るんですかねえ!!」

●えびえびだいしゃりん
 イタマエアイランドの海老海老大車輪。エビィーと鳴く海洋生物で巨大な車輪状のクルマエビモンスターである。
 海老海老大車輪の討伐は毎年の恒例行事であり、夏の草むしりみたくみんなそこそこのやる気を出してそこそこに倒すことになっていたが、大号令を前に大掃除をしようとローレットにもお声がかかった次第である。
「聞いた話では、メスへの求愛行動として陸上を爆走するんですよね。メスってどこからか見てるんですかね……これ」
 適当な十字路に立って、どっからでもかかってこいの姿勢をとるベーク。
 街灯柱の上に立っていたカイトは翼を羽ばたかせ、ゆっくりと上昇していく。
「さあな。だが少なくとも、俺にはばっちり見えてるぜ」
 少し高いところに行けば走り回る海老海老大車輪が大量に見つかる。同じように討伐活動をしている人たちもいるので、カイトたちが担当するのはまだだれも手をつけていない個体である。
「アタリをつけた、そこで待機だベーク!」
 カイトは持ち前の機動力を生かして滑空すると、走り回る海老海老大車輪の側面へと回って『爆翼』を打ち込んだ。
「祭りのはじまりだぁ!」
 猛烈な速度で追いかけてくる海老海老大車輪。
 カイトは一定の距離を保ちながら引きつけ……。
「ベーク、今だ!」
「今日のご飯は僕ではなくあなたです!!」
 十字路の角で待ち構えていたベークが飛び出し、海老海老大車輪へと激突。
 海老海老大車輪はスリップし、近くの塀へとぶつかった。
「エビィ!?」
「逃がしませんよ!」
 ばしっと張り付き、動きを押さえ込むベーク。逃れようとジェットをふかす海老海老大車輪。
 カイトは空で大きくターンをかけると。
「行くぜ、火斬双翼撃!」
 海老海老大車輪を激しい炎に包んだ。
 張り付いていたせいでちょっと熱いベーク(鯛焼き未遂)。

 一方こちらはココロ。
 曲がり道の多い通りに木箱やらなんやらをどかどか置いて、あらかじめ進路を限定するように働きかけていた。
「うーん、あとは一時停止の標識とか立ち入り禁止のテープとかあればいいですかね?」
 うーんと考えながら唇に人差し指を当てるココロ。
 と、そこへ。
「エビィー!」
 遠くからえびえびいう声。
 ハッと顔を上げたココロは待ち構える姿勢(両手を広げて今にも寿司屋ひらきそうな姿勢)をとって振り返った。
「さあ、いつでも――」
「エビィー!」
 車海老だった。
 ていうか巨大な車海老のリアル着ぐるみを被って足(タイツ)だけを出した幻が猛烈な速度で突っ走ってきていた。
「なんですかこれ!?」
「エビィー!」
「うわあこっちくる!」
 ひいといって目をつぶったココロの頭上を、シュバッと飛び越える幻(きぐるみ)。
 無駄にスローになる風景。
 無駄にかかる逆光。
 無駄にかかるフォーカス移動。
 幻(きぐるみ)は飛び込み前転でごろごろいくと、勢いよく振り返った。
「さあ、今です!」
「なにがで――うわあこっちくる!」
 もっかい前を見ると、今度こそジェット噴射で爆走する海老海老大車輪がココロめがけて突っ込んできていた。
「エビィ!」
 押し倒した板をジャンプ台代わりにして跳躍する海老海老大車輪。
「貝類を食べる甲殻類には――!」
 同じくビールケースを踏み台にしてジャンプするココロ。
「ほたてぱんちです!」
 海老海老大車輪を殴りつけて押し返すと、返す刀(?)で魔力の真珠を作り出して連射。
 転倒した海老海老大車輪の殻を破り、破壊したのであった。

 おっさんたちに追い込まれて走る海老海老大車輪。
 その進行上には、どっしりと地に両手をつけて構えるソアの姿があった。
「さあて、追いかけっこだよ」
 生み出した雷を矢の形にして発射。
 海老海老大車輪はそれをかわすようにカーブすると、横道へと入り込んでいった。
「しめた!」
 ソアは飛び出し、素早く虎形態に変化すると海老海老大車輪を追って走り始めた。
「知ってる? チーターの瞬間最高時速は120キロあるんだよ! ボク虎だけど!」
 ソアは海老海老大車輪を追いかけながら追撃の雷撃を次々に発射。
 ばちばちと散るスパークから逃げるように、海老海老大車輪はさらに加速した。
 ……が、その先に待っていたのは。
「この俺ゴリョウだぜ!」
 ゴリョウ・スモウレスラーフォームは立ち会いの姿勢をとると、突っ込んできた海老海老大車輪めがけて飛び出し、相手の側面を掴むようにしてぶつかった。
「ぶはははッ、ぶちかまし対決ってわけだなッ!」
 ジェット噴射をかけて押し切ろうとする海老海老大車輪だが、ゴリョウは踏ん張った足が一メートルほど引きずられるのみ。
 己の厚い胸板と堅い額でタイヤをとらえてはなさない。
「今だソア! こいつは俺へ夢中になってる。隙だらけだぜ!」
 指を両側面に食い込ませ、思い切り持ち上げるゴリョウ。
 掲げられ慌てた海老海老大車輪に、ソアの雷神キックが炸裂する。

「気をつけてくださーい通りまーす」
 ぴぴーと笛を吹きながら大通りを走るマリナ。指定されたポイントで仲間と合流するためである。
 別の誘導係が海老海老大車輪を追いかけているが、進行方向を定めるもう一人の誘導係がほしい状況になったらしい。
「しかたねーですね。ここはひとつ」
 腰からフリントロック銃を取り出し、構えるマリナ。
 すると通りの向こう側からぴょんぴょんと屋根をとんで走るハッピーの姿が見えた。
「へいへいおらぁー!!!! こっちだってジェットだぞかかってこいやぁー!!!!」
 ジェットパックを大量に(?)装備したハッピーが、屋根から屋根へ飛び移るかたちで海老海老大車輪を引きつけているようだ。
 機動力のすごい海老海老大車輪といえど立体的に動かれるとすぐには追いつけないらしく、エビエビいいながらハッピーに追いつこうと走り回っている。
「へいへーい、おーらいおーらい。海老だけどシャコいれ、なんて……」
 そこで、マリナは片目をつぶって狙いを定め、海老海老大車輪がカーブしようとした隙をねらって銃弾を撃ち込んだ。
「エビッ!?」
 当たり所が悪かったようで、海老海老大車輪の動きが大きく鈍る。
 さらにマリナは縄でくくったその辺の重そうなものを海老海老大車輪めがけて投擲。
 べぎんと音をたてて吹き飛んだ海老海老大車輪の前に、ハッピーがぽんと飛び降りた。
「よっしゃとどめだー! おらー!」
 回転してごりごりと削ってこようとする海老海老大車輪に対し、幽霊パワー(?)でごりごりと再構築をかけるハッピー。
 ちょっとした膠着状態になったところで、マリナがさらなる縄ハンマーを振り上げた。

●海老おいしい。最初にあれ食べようとしたひと偉い。
 ぱちん、と手を合わせて目をきらきらにするココロ。
「これを食べる気なのです? え、でも身が締まってて美味しそう♪」
 スクラップ工場のタイヤてみーにどかどか積み上げられた大量のクルマエビ。
 鮮度が落ちるのが早くあたりやすいので食べないので捨てちゃうって人もいるっちゃいるが、とったその日のうちなら案外いろいろ食べ方があるものである。
 というか、倒した海老海老大車輪は好きにしていいよってことだったので、特に誰に言われたわけでもないけど彼らはこの大量の巨大クルマエビを食べることにした。
 カイトがたき火の上に鍋をセットし、くるくるとかき混ぜる。
 そしてココロの買ってきた鶏卵を溶いて細く垂らすようにくるくると落としていき……。
「よしできたぜ。海老の卵スープ!」
 海老がなんかやけくそなサイコロステーキみたいになって煮込まれた卵スープをお椀にもって、カイトがココロへと突き出してくる。
 海老のエキスってえのはコンソメあたりと死ぬほど相性がよく、卵とあわせるとまろやかさがましなんていうの有り体に言ってうまうまのうま。
「うまうまのうまー」
 顔を(=▽=)ってかんじにしてほっこりするココロ。
 その横では、ゴリョウが得意の調理器具を広げて様々な海老料理に挑戦していた。
「確かに可食部は沢山あるが、食えねえ部分もだいぶあるな。初めて見る食材だから、今日は身の安全そうな部分だけ調理しとくぜ。身もしまっててさばくのも一苦労だ」
 とか言いながら手際よく海老をさばいては適切なサイズにスライスしていくゴリョウ。
「ベークのリクエストはシーフードドリアだったな。食材は買ってきたか」
「もちろーん! あ、ボクはお刺身たべたいおさしみ!」
 ソアが肉球ハンドをくいくいやって『ちょうだい』のジェスチャーをすると、ゴリョウが一口サイズにスライスした海老肉をわずかにあぶり、ポン酢をそえて差し出してきた。
 なんでポン酢? と思ったが、あぶって表面に油がのりはじめた海老とポン酢の相性がやけによく、ファッと素早く広がる爽やかさの後に海老のまったりとしたうまみともきゅもきゅした食感が口に楽しく長くウマい。
 ソアはほっこり顔で口いっぱいに海老を頬張った。虎の精霊っていうかもうハムスターの精霊だった。
「あー、私も海老ドリアがいいですね。カップル潰すときえびどりゃーって言ってたので」
 マリナは代用オーブンで焼き上げたドリアが完成すると、ベークと一緒にフォークを持ってキャンプチェアに座った。
「この際、生海老やゆで海老のお寿司もいいですね。デザートは鯛焼きで」
「なんで僕をみて言うんですかねえ!」
 集中線つきで振り返るベーク。
「僕は……そうですね、パエリアやカルパッチョが食べたいです」
「私えびちり! あと海老フライがすきです!」
 うっとりと調理風景を眺めながら頬に手をやる幻と、両手でばんざいするハッピー。
「おう、任せな! なんでも作ってやるぜ! というわけでほれ、スモーク海老な」
 海老の身からうすく殻をはがして桜のチップでスモークしたものを使い捨てのスモークボックスから取り出すゴリョウ。
「今日は海老パーティーだぜ!」
「「いえーい!」」

成否

成功

MVP

夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師

状態異常

なし

あとがき

 海老おいしい!!!!!!

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