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ラムダ・アイリスのあやひによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
ラムダ・アイリスのあやひによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
イラストSS
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シャイネン・ナハトを盛り上げる音楽がかかり、赤と緑と金色のきらびやかな飾りが街全体を彩っている。
ラムダは、カップルで賑わう街の中を急いでいた。ほとんど走り出しそうにさえなっている。見えない捕食者に背後を追われるように。あるいは、止まれない急坂を駆け下りるように。ぜいぜいと息まで切れていた。
(「ボクとしたことが……」)
今夜のために選びに選んで買ったプレゼントを、うっかり家に忘れて出たのだ。気づいたのは、パーティ会場まであと五分というところ、ショーウィドウに姿を映して普段は着ないスーツの乱れを正している時だった。
遅刻を覚悟で取りに戻ったのだが――。
(「もー、遅刻確実だよ。あ、そろそろループタイをきちんと締めなくちゃ」)
きらびやかな光の氾濫、笑いさんざめき、風が運ぶ讃美歌の声。深々と降る雪とともに夜も更けていく。
「あ……」
急いだものの時間を大幅にオーバーしたようだ。到着したパーティ会場の扉は締められており、扉の前の、赤いカーペットを敷いた階段の前に――。
「遅いぞ、ラムダ!」
「はやく、はやくー!」
パーティに集まったメンバーが、ラムダを迎えるため揃って立ち、手を振っていた。
*SS担当者:そうすけGM