PandoraPartyProject

シナリオ詳細

グルグル・ナイト・アイランド

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ナイト・パレード
 鉄帝――冠位憤怒が堕ちて後、様々な事が起こり、流れていったが、兎も角、果たして、此処は昼間も夜間も旋回でいっぱいだった。右も左も上も下も、嗚呼、ありとあらゆる『もの』がグルグルで溢れている。いや、本当に溢れているものは、おそらく、胎児が嫌悪していた羊水に違いない。強烈な目眩みにやられた、ただの脳味噌の入れ物が、意識的、或いは無意識的に乗り場の前へと誘われる。グルグルの園に帰ろうと歌っていたのは、さて、誰だったのか、人間だったのか――何故に回るのかと言えば、回るからに決まっている――此処はグルグルアイランド、一から全までグルグルとやかましい、テーマパーク。
 グルグルアイランドの成り立ちは不明だ。しかし、とある旅人が妙なチャンネルに繋がった結果、大渦巻きに呑まれて落っこちたと聞く。それにしても――今日のグルグルアイランドはヤケに暗くないか。そりゃあ勿論、皆様方の予想通り――太陽が見えないから、と、謂うワケだ……。

●ティーカップ前
「あう……グルグル……グルグルするわ……何よここ……た、立ってられない……」
 本日最初の犠牲者は火々神・くとか。希望ヶ浜学園の生徒であり、その裏の顔は夜妖ハンターの末裔である。彼女が目を回している理由は、まあ、見ればわかる。
「おや――おやおや。また、随分と巻き込まれ体質なのだな、貴様。私の戯れに塗れるとは愉快な奴よ。世界も貴様も同じものだ、まさか、平面説などを信じているとは思えまい」
 ぬらりと無貌を晒したのはオラボナ――改め、ロジャーズ=L=ナイア。グルグルアイランド第一発見者兼トリックスター。
「ううぅ……出たわね、這い寄る混沌……何してくれんのよ……」
「Nyahahahaha――何、アイランドの貸し切りでもしようかと思ってな。夜間ならば一般客も来ないだろう。まあ、つまり、イレギュラーズ諸君、これは戯れる程度のシナリオだ。力を抜き給え……」
 イレギュラーズ――君達が周囲を再確認すると、成程、楽しげなアトラクションが並んでいる。ティーカップ……メリーゴーランド……ジェットコースター……グローブジャングル……クネプフェ……。
 今公園の遊具なかった???
「取り敢えず、此度は気楽に遊んでいき給えよ。因みに全部私が弄っておいた。速度も回転数も時間も最大と謂うところか……。で、其処の娘は健康体か?」
「誰の所為だと思ってんのよ、このニャルラトホテプ……っ。おぼえてなさい」

NMコメント

 にゃあらです。
 グルグルの楽園。
 このシナリオはラリーです。
 一章での終了を予定しています。

●目標
 グルグルアイランドで遊ぶ。
 乙女の尊厳とかを守る。

●グルグルアイランド
 全てが回っている遊園地です。アトラクションは勿論、景色やレストラン、椅子までもう滅茶苦茶です。アトラクションはプレイングで指摘してくだされば何でも生えます。

●ロジャーズ=L=ナイア
 ご存知這い寄る混沌です。
 バニーです。
 今回は管理者として動いています。

●火々神・くとか
 這い寄る混沌絶対燃やすガール。
 声をかけてくだされば皆さんと一緒にグルグルするそうです。

●サンプルプレイング
「な、なんだか見てるだけでフラフラするけど。折角の遊園地ですもの、楽しみましょう――あ、くとかさんも一緒に」
 アトラクションはティーカップ希望。全身全霊でハンドルを回すわ
「ふふん。これが私のハンドル捌きよ。どう、中々上手じゃないかしら……って。くとかさん大丈夫?」
 大丈夫そうでも、そうじゃなくてもお土産買って帰りましょう。これは、何かしら。万華鏡……? 綺麗ね。

  • グルグル・ナイト・アイランド完了
  • NM名にゃあら
  • 種別カジュアル
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年06月09日 21時35分
  • 章数1章
  • 総採用数8人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

 発生した乱気流に中てられて眼球、ぷるぷるとヤカマシイ。臓腑が攣ったかのような、痺れたかのような、寒々しい凄惨な状況。重傷? それの何が問題だ。こぼれた撫子を追いながら発作に振り回される――貰い物の味は上質だったか?
 傷だらけの蛞蝓、罅の入った蝸牛、まるで、テーマ・パークの旋回さ、迷子にでもなったかのような錯視、錯覚の中心点。嗚呼、せっかくのぐるぐると嗤う世界を、せっかくのくるくると踊る時間を、如何して見逃す事が出来ようか。つまり、この俺、寒櫻院・史之はまるく整えた頭蓋骨の中身を、懸命に、賢明に、水流に縛された不遇な河豚のように狂わさなければならない、と。さて、やっぱり遊園地と来たら……グルグルアイランドに来たら……王道と謂うものを忘れてはいけない。カップル・シートなんてのは幾等でも在るが。コーヒーカップじゃんね。素晴らしき哉シンプル・イズ・ベスト。お隣の君、妻さんの可愛いお顔も眺められる。ついでにクラクラしている蒼白も見られると……最高じゃんね? 即ちオマエはちょっとだけサドとやらに憑かれているご様子――ぐるぐる回るのですね。そうさ、カンちゃん。俺達は今からご一緒になるのさ……。ぐるぐる回ればいいのですね。
 素敵だ。ステキなところだ。僕の大脳皮質がそう告げて、前頭葉が言葉を失くしている。しーちゃん、深夜のデートと洒落込みましょう。冬宮・寒櫻院・睦月、なんてチョコレートが甘ったるくて呑み込めないなら、あいびき場所のコーヒーカップでとろかすが宜しい。中々にロマンチックでしょう。ロマン主義の俺にとっても悦ばしい状況だ。ふたり、とぽん、と、あつあつに投げ込まれて、ドログチャに混沌として……。角砂糖みたいに、蜂蜜みたいに、つまりこれは上からの試練です。見事、愛を証明してみせましょう――ハンドルを握り締めて力いっぱい……羊羹を砕くほどに。回す回す回る回る。
 うっぷ。先に蒼白になったのは想定外だった。そろそろ速度落とさない? ダメダメ。もっとカップ回して、バターなんて実際、ほぼ固形じゃない。ちょっと、ヤバいんだけど。あの、カンちゃん。いやね、確かに、三半規管に関しては強い方だと思うけど、カップの縁に食い込むほどの回転は……やりすぎ。やりすぎですか。回す、ほら回せ、やれ回せ、そら回せ。ぐるぐるするの。楽しいだとか嬉しいだとかそれ以前に。
 試練なの。
 上からの試練……。
 睦月、睦月、さすがに、その、手心と謂うか……嗚呼、妻さん耳を貸してくれない。いや、耳の中通り越して脳髄撹拌されちゃってる。あー、もう。仕方ないね。付き合うよ! 俺は夫で在るよりも前に、従者なのだから……。それで睦月、上ってのは?
 上? 上ってのはそりゃ……。
 落ちる、落ちる、速度と同時に眼振だけが愉悦を貪る。
 ウエッ、ぎぼぢわる……。
 誰も食べないし、誰も飲まない、そんな汚濁の如きホット・チョコレートの底。

成否

成功


第1章 第2節

メイメイ・ルー(p3p004460)
祈りと誓いと

 己の事を、真逆、スケープゴートとして見定められたとは、まったく、露も知れない状況だ。一匹、二匹の獣を逃したところで、六百六十六の在り方には到達出来ない。紫色の、二粒の、愛らしいキャンディを半開きにして若干情報を隔ててみる。めぇ……。そんな事を試みたって彼方も此方もぐるぐるしている。此処でふと涌き上がった疑問がひとつ。の、乗る時は止まるのでしょう、か……? 止まらなかったら止まらなかったで飛び込まなければいけない、と、自らの内で反芻してみる。嗚呼、上だ、上を視ようとした程度で、この目眩だ。空と一緒に観覧車が不規則な渦を描いている――おっかなびっくり、えいや、戸の開いているゴンドラへの投身――メイメイ・ルーはスーサイド・ゴートではない。
 わ、わわ……観覧車って、こんなに自由に、ぐるぐるする事が出来る乗り物だったのです、ね。そんな台詞が飛び出すのも無理はない。籠の中の座席と、籠そのものがぐるぐる、それに通常のぐるりが添えられていたのだ。目ぇ……めぇ。頭の中が回る、廻る……あれはキラキラ光るお星さまだろうか。お星さまもぐるぐるしている。
 目が回ってぐにゃぐにゃひつじだ。立つ事も歩く事も難しい。きっと、遊園地のスタッフさんに攫われていたのだ。横たわったベンチまでもぐるぐる……ぐるぐるのソフトクリーム。ようやく治まった眩暈を置いて。
 あまくて、つめたい、気分の悪さを拭い取る、落ち着く味わい。

成否

成功


第1章 第3節

クロエ・ブランシェット(p3p008486)
奉唱のウィスプ

 チキン・ステーキ、元に戻せない、癒す事など赦されない火傷を彷彿とさせてきた。燃え尽きる前の森へと體を躍らせたならば、踊らされるよりも先に楽譜を紐解く。世間一般的には美味しそうな、まったく馥郁とした現状だが、真実、胃液のちゃぷんが騒々しい――グルグルアイランド、せっかくだから遊んでみましょう。きっと、お酒が飲める歳になっても遊園地は楽しい筈だ。まるで乗せられたヒトサマの如くに翼々を広げる。
 小さい頃、白馬に乗った王子様とか憧れませんでした? お誘いしてみた女子高生の顔色は、なんとも、蒼々としていたが気の所為だろう。白いお馬さんの首筋を撫でて、乗せてもらうの。よしよし……。ところで、メリーゴーランドのお馬さんが蝙蝠っぽくは見えないか。何をしてるのかって。え? 可愛くないですか? もうシャンタクだ。
 グランフェッテ、32必要ではなかったか。
 ゆっくり回るものじゃなかったでしょうか。本物の馬を想わせる、凄まじいほどの、ぐるぐる、目が回るほどの全力疾走。宥めることも調節もできないから、ポール・ダンスみたいにしがみつく。……はっ!? 今なら翼のある私とお馬さんが一体化してペガサスになれるのでは!? いや、なれないわよ。なれたらそれこそオカシナ話だ。くとかさん、振り落とされないでくださいね……! これ以上振り回すのはやめてほしい、心からの呟きも。
 ――クロエ、莫迦みたいに廻る世界へ掻き消える。

成否

成功


第1章 第4節

ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)
極夜

 七色カーペットを最初に踏んだのは女子高生だった。お隣からこぼれた貰い物は、成程、ペッカートの貌を歪ませるに値する代物だった。舞台装置ごと回る遊園地か、楽しそうじゃん。何方かと謂えば愉しんでいるご様子のオマエ、さて、燃え尽きる前にド派手なコースを提案するのがよろしい。よぉ、くとか。君、ジェットコースターは平気? 既に若干蒼白な女の子にソレは酷ではないだろうか。しかし……へ、平気よ……虚勢を張るのはお約束と謂うワケだ。度胸試しをしないか?
 見た、聞いた、程度で軽いめまいを覚えたのは仕方のない事だろう。何故、問われたらゆっくり上昇からの急降下、勢いで七回転だ。完走しても自分を保っていた方が勝ちな。怖くなったら頂上で止められるらしいから身構えなくても大丈夫……。一思いに殺してほしいわ。垣間見える楽園、面白い――あ? あれがお迎えか? 噂は常々――胎児と呼ばれた機体に腰下ろす。狂気廻りの幕開け。
 コースターに振り回されつつ山脈で知った『俺の貌』、おい、帰るんじゃねぇよ天使サマ。脳味噌が先に飛んだのか精神が先に飛んだのか解せぬ儘――まだ目が回っている気がする――今は地面。入国拒否されるとはな、人を見かけで判断するなんて失礼な奴らだ。そういえば君は平気? 自分が分かるか……?
 うぅん……。
 遊んだらお腹空いてきたし付き合ってくれたお礼になんか奢ってやるよ。
 流行りのドーナツは渦巻き模様で……。

成否

成功


第1章 第5節

毒島 仁郎(p3p004872)
ドクター・チェイス・ゲーム

 袋に詰め込まれた汚濁の塊、半分液体で半分固形な『それ』は滑稽な胎児を転がしていた。グルグルアイランド、回っていないものを見つける方が困難な、鉄帝らしさの隙間にケイオスを粘つけた遊園地。しかしながら、そう、毒島の思考としては――世の中「回っていない」ものはないのだ。ああ、回るよ回るよ何もかも、何処までも永久に回されている――添えるようにした音符をぽぽ魅さんはつついた。
 と、謂うことで、今直ぐ目指せアトラクション全制覇。どうせだったらぽぽ魅さん引き連れてバターごっこと洒落込むのがよろしい、悦ばしい。所詮は邪神の、所謂ナイアーラトテップの戯れ。身を任せれば、心を解き放てば、正気も燦々と散々になっても――果て、虹色地獄はこんなにも身近な領域だったか。このティーカップの中身は点滴……つまりは血管で味わう天敵と表現すべき……己、不倶戴天……。
 時にそこな白色……青々としたお嬢さん。ベンチでぐったりしている女子高生とのお喋りタイムだ。ああ、くとかさんでしたか。なによ、私の貌に何がついてる? そんな険しいお顔では邪神の思う壺。ヤバくなったら逆回転で回復すればよいのです! そんなの焼け石に水じゃない! 文字通り炎の神に蛸と書き込むと――さあさあ、次のアトラクションは三人で楽しみましょう! アンタ目が回らないの……?
 ぽぽ魅さんセレクトお土産は、さて、不定形に嗤うお人形さんだ。
 肉質がまったく違う。

成否

成功


第1章 第6節

モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera

 果実、変幻自在なのはお互い様だ、と、悪魔の証明に悪戯心を添えておく。奥へと興味本位で、好奇心だけで歩を進めるサマは、モカ・ビアンキーニの淹れ方とでも表現すべきか。兎にも角にもグルグルアイランド、艶とした双眸を投げかけて軽度の眩暈とする。まーたオラボナ……いや、改名したんだったか……まーたロジャーズさんが変な事を企んだな。そう、確かに、オマエの謂う通り、厭の混沌として真っ黒くろい女は何を考えているのか解せないが、世界平和の犠牲とやらに成るのがよろしい。悦ばしい。結局のところ人間も神様の創った胎児なのだろう?
 という訳で、ここがあの女の――びっくりハウスね。まるで犬にでもなった気分だと陥ったオマエだ、外観は普通も普通、極めて在り来たりな一軒家だが。その内装は――よくある壁の蠢きではない。……ん? ジェットコースターその他を匂わせる固定具の有り様だ。ははーん……これは「席の方が縦回転するんだな」……。想定の範囲内。予定調和の類だと頷くべきだ。背筋を伸ばして坐してみる。
 胴体は勿論だが、如何して、頭部まで。
 ベルが嗤う。
 三次元的な回転がオマエを待っていた。長い永い宇宙旅行に招待された不快感が臓物の底へ落ちてくる。で、挙句の果てには屋根が開いて大ジャンプだ。座席諸共に不時着し――目の前にはヤケにぐにゃりとした女子高生。
 も……モカ先生? いったい何が……?
 くとかさん、元気そうで何より。

成否

成功


第1章 第7節

アルヤン 不連続面(p3p009220)
未来を結ぶ

 ミスト――季節に合わせた霧の冷たさにちょっとした妬みを覚えた、嫉みを味わったオマエ、父親の背の影になって回転するのか。只管に旋回する景色の片隅で、コード、黄色か赤色のテープに意味を見出す。これ以上引っ張る事は出来ません。何故かと問われたならば鈍痛、のびるような神経――遊園地なんて初めて来たっす。とはいえ、自分だって、アルヤンだって常に回っているものですから、きっとグルグルアイランドのマスコットに相応しい。そんなことないかもっす……。いあいあ、ご謙遜を……。
 支配人なのかスタッフなのかも解せない、貌知れずのモブに連れられてティーカップの前、成程、中央のティーポットの代わりに初体験な扇風機を置くのも悪くはないか。いや、寧ろ、他はなんか扇風機が乗るのは難しそうっすから――たとえばジェットコースター、逆式風水としては完璧だが、それ即ち破壊力でしかない……。うぃーん、うぃーん。ぐるぐる、ぐるぐるぐる……コード一本でぶん回す必要は無かった。うわ。なんかちょっと速くないっすか? 此処で素朴な疑問をひとつ、母親がオマエに三半規管を添えてくれたのか?
 あ、なんか気持ち悪くなってきたっす。普段はファン、ファン、と回しているオマエもまるごと回転するのには慣れていなかった。そろそろ、やばいかも。胃袋も耳朶も眼球も見当たらないと謂うのに、酸っぱい、じっとりと流れていくぬるい風……顔から。
 あ~~~~……。

成否

成功


第1章 第8節

 太陽が嗤う――グルグルアイランドの夜は終わり、
 あまねくグルグルが陽の下に眩んでいく。
 貸し切りの夜はこれにてサヨウナラ、
 嗚呼、我等がグルグルの園、
 ――その回転に永遠在れ。

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