幕間
ストーリーの一部のみを抽出して表示しています。
神は言いました、
神は言いました、
「ああ、神様!神様はいつでも、私を正しく導いてくださいます!!」
関連キャラクター:霧小町 まろう
- かみさまがいうことには ~シャイネンナハトへ向けて~
- まろう、まろう。よくお聞なさい。
聞いていますか、まろう。まずはその少しずれた鼻歌を止めなさい。今すぐです。
あなたは蚊の鳴くような小ささと思っているかも知れませんが、気分が乗っているのかかなりの人の耳に入っています。先程からあなたを二度見三度見する人々の視線に気付いていないのですか?
……別の人を見ていると思っているかも知れませんが、残念なことに人々の視線はあなたに向けられているのです。わかりましたか、まろう。今すぐ鼻歌を止めるのです。
よろしい。良い子ですね、まろう。
あなたの気持ちが落ち着かないのはわかります。もうすぐシャイネンナハトですものね。
ですが……いいですか、まろう。あなたは他にも過ちを犯しています。
まずは先程のケーキ屋に戻り、考えを改めなさい。今ならまだ、間に合います。
ホールケーキをあなたは予約しましたね? それはどう考えてもあなたひとりで食べるには多いです。
シャイネンナハトのケーキは可愛らしいですし、購買意欲を高める仕組みがたくさんありますものね。気持ちはわかります。しかしあなたは他にも料理の手配をしましたね? すべてをひとりで食べるのは難しいはずです。
それと、シュトレンも予約しておりましたが……いいえ、まろう。食べるなと言っているのではありませんよ。焦らないでください。あれは毎日一切れずつ食べていくものなので、予約を止めて今購入し、毎日食べていきましょう。毎日、一切れずつ、です。必ず守ってください。あれはバターの使用量がえげつない代物です。シャイネンナハトの料理を気兼ねなく食べるためにも、『必ず一切れ』の誓いを立てなさい。いいですね、まろう。
その次は肉屋です。
ひとりで七面鳥の丸焼きは矢張り多いです。鶏の足一本くらいにしましょう。
まろうはケーキも他のものも食べたいでしょう? 美味しく食べるためにも一時の高揚に流されること無く、考えて予約をすべきです。
わかりましたね、まろう。楽しいシャイネンナハトを迎えるためです。
それから、その赤い服を着るのには、まだ些か早いですよ、まろう。
他の人が着ているのは、商売のためです。
聞いていますか、まろう。まろう? ああ、何故ヒゲを……。 - 執筆:壱花