イラストSS

　星降る夜の燈堂家のパーティは賑やかに行われる。
　子供たちの笑顔が溢れるこの日は、大人たちも自然と笑顔になった。
　大人たちの事情なぞ、子供には預かり知らぬ所だ。
　そんな無邪気さに救われる。
　繰切の楽しいという想いから生まれおちた灰斗にとって、燈堂家の子供たちの笑顔はまるで自分のことのように嬉しいものだった。
　人見知りの灰斗もようやく子供たちに慣れてきたのだろう。

「ふぁ……」
　パーティが終わり自室へと帰ってきた灰斗は布団の中に潜り込む。
　ふかふかの布団は心地よくて灰斗は直ぐに眠りにおちた。
　そんな灰斗の部屋へ忍び込むのはチェレンチィである。
　長細いプレゼントボックスを持っているチェレンチィの後ろから暁月が声を掛けようとして「しぃ」と制止させられる。
　中身はデラックスなソードだ。光る回る音が出る。
　灰斗の枕元にプレゼントボックスを置いたチェレンチィは、彼の健やかな成長を願いそっと頭を撫でたのだ。
　何の力も持たない神様の子。
　けれど、共に歩んで行けると信じている。
　明日の朝に飛び起きた灰斗の喜ぶ声を想像しながらチェレンチィは目を細めた。

※SS担当：もみじ