イラストSS

　クリスマスプレゼントを買おうとるんるんでやってきたなじみはぬいぐるみコーナーを覗き込んでから悪戯めいて笑った。
「おやおや？」
　何かが居る。真っ白な鳥か、それとも、夜妖と呼ぶべき存在か。
　何方でも構わないが、それが棚の中でぬいぐるみの振りをしているのだ。ドッキリ企画でもしているのかとなじみは覗き込んでからつん、と突く。
「やあやあ、お元気かな？　ふふ、そんなところで何しているのかな。店員さん」
　つんつんと腹の辺りを指で突けばUweはぷるぷると震え始めた。
「楽しいねえ。びっくりした。こんな所に居るだなんて思っていなかったから！」
　つんつん、何度も突き続けるなじみに居ても立っても居られなくなってからUweはけらけらと笑い始める。
　ぬいぐるみの陳列を手伝ってから自身もぬいぐるみの振りをして客を喜ばせようとして居たのだ。
　そんなUweに気付いてなじみは「ほら、ぬいぐるみさん、笑っても良いんだぜ？」とお腹をぐりぐりと押し続けている。
　正直、ここで大騒ぎしてしまえば『驚かせる』企画が台無しだ。焦ったが、もう止まらない。
　余りの擽ったさに笑い始めるUweになじみは自信満々で「ほら、私の勝ちだー！」と微笑んだのであった。


　＊SS担当：夏あかね