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ミリヤム・ドリーミングの二条によるシングルピンナップクリスマス2022
ミリヤム・ドリーミングの二条によるシングルピンナップクリスマス2022
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誰もが輝かんばかりの夜を素敵に過ごしているであろうシャイネン・ナハト──。そんな聖夜の夜にも、どこかで悲劇は起きている。
イルミネーションの輝きに照らされる通りの人々の笑顔を、1人の青年がどこか恨めしい表情で眺めていた。ホームレス状態の青年は、わずかでも飢えや寒さをしのげる場所を探して街を練り歩く。
青年が路地の一角にあるゴミ捨て場を漁っていると、背後から声をかけられた。
「君は生きたいか? 夢はあるか?」
その声の主は、ミリヤム・ドリーミング改め、『ミリヤ・ナイトメア』──『傲慢』の魔種であった。
突然現れたミリヤのことを、青年は一瞬警戒する。黒のチャイナドレスを着こなす妖艶な雰囲気のミリヤは、青年の懐に飛び込むようにして、彼の薄汚れた手を取り語りかける。
「問おう。夢はあるか? もし望むなら……私と一緒に、アイドルにならないか?」
ミリヤの大胆な行動に、青年は顔を紅潮させてうろたえる。
ホームレスらしさが漂う薄汚れた印象ではあるが、ミリヤは青年に対し磨けば光る要素を感じたようだ。
ミリヤが青年に提示したアイドル活動は、ミリヤの眷属になるということそのものだった。不幸な弱者を前にして、ミリヤはかつての自分を重ね、一線を越える決断をする。
──ミリヤ自身が救える範囲、救える形で弱者を守る。それが弱者の上に立つという『傲慢』だと知りながら──。
※SS担当者:夏雨