イラストSS

「いらっしゃい」
「お好きな席におかけください」
　豊穣ではそこそこ有名な異世界割烹『ゴリョウ亭』。本日はなんと一日限定ミニスカサンタキャンペーンを行っていた。

　……。

　一日限定ミニスカサンタキャンペーンを行っていた（二回目）。

「…………悪いなあ、店主でしかもオークが、こんな格好でよ」
「いいえ、彼の料理は絶品ですしとってもお似合いでしょう。胸を張りましょう、さあ一緒に」
「いやなんでそんなはつらつとしてるの？　プライドとかないの？」
「ええ……？」
「ええ……」
　ベビーピンクのミニスカサンタを華麗に着こなした（※オブラートな表現）ゴリョウは、慣れた手付きで中華鍋を振るう。
　もうどうしてこうなったかは考えたくない。多分ゴリョウの手元に届いた依頼報告書は火にくべられたんじゃないでしょうか。
　今まで見た事ないぐらいの勢いの溜息を吐いているのはきっと依頼の報告書が色んな人の目に触れることを理解しているから。
　なぜベビーピンクなのか。
　なぜブーメランパンツなのか。
　ああ、なぜ――

「ミニスカサンタの悲劇丼、追加でオーダー入りました」
「あとでこんなメニューを考えたゼンシンとは話し合いだな」

　うん。だめそう（だめそう）。

　※SS担当者：染