PandoraPartyProject

イラスト詳細

甘く穏やかな一服を

作者 くらい
人物 アレクシア・アトリー・アバークロンビー
フランツェル・ロア・ヘクセンハウス
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2022(サイズアップ)
納品日 2022年12月24日

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イラストSS

 深緑は大きな被害があった。木々の憂いを感じながらも、灰となったその場所に木々を埋め少しずつでも『育つ』時を楽しみにしているアレクシアは穏やかな一日を過ごせずに居た。
 平和の日と呼ばれるシャイネンナハト。だからだろうか、これ以降には何の不安もないようにと願う信仰者達がアンテローゼ大聖堂にやってきたのだ。
 司教であるフランツェルも大忙しではあったが神官の一人として手伝うアレクシアも目が回る。
 疲弊し椅子に腰掛けたアレクシアを小声で呼んでからフランツェルは「悪いことしない?」と誘った。
「悪い事?」
「そう。ちょっぴり休憩をしましょうよ。アレクシアさんはラズベリージャムは好き?」
 クッキーを貰ったのよね、とウキウキとした様子で奥まった部屋へと入っていくフランツェルを追掛ければ、ティーセットが準備されている。
 最初からサボるつもりだったのだろうとアレクシアはぱちくりとフランツェルを見た。
「少し位休憩しなくっちゃ人間はダメになるものね。此れは戦略的な逃避よ」
「ふふ、フランさんらしいね」
 選んだ場所がフランツェルの許可が無ければ立ち入ることの出来ない部屋なのも、元からティーセットが準備されていたのも。
 用意周到なのだからついつい笑ってしまう。
「それじゃ、戦略的な休憩を楽しみましょう。さ、ミルクと砂糖は必要かしら?」
「有り難う。ストレートで頂こうかな」
 一息ついたアレクシアの唇にフランツェルはクッキーを押し付けた。


 *SS担当:夏あかね

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