イラストSS

「うんうん、エルスにゃー、完璧だにゃ」
「あの、ティエルさん……？？」
「ささ、こっちを向いて欲しいにゃー」
「あの…………？？？？」
「これならかの赤犬もたじたじ間違いなしにゃ」
「あの？！！！！！！！！！」
　キャットスーツらしい。が、真っ赤なレザーにねこみみ、猫しっぽ。猫の肉球がついた手袋と、ボディラインを強調するようなレザーのスーツとは真反対な愛らしいグッズにエルスの顔は赤くなるばかり。
　きらきら輝いたクリスマスツリーは、室内の煌めきに呼応するように輝きをまして。
　足元で眠る猫は愛らしく、ごろごろと喉を鳴らしてはエルスの膝の上ですやすやと寝息を立てる。ごきげんに揺れる尻尾はエルスとは正反対、エルスが猫だったならば尻尾をぴんと立てていたことだろうから。
「ところでこれは一体何なのかしら……」
「え？　エルスにゃーのとびきりかわいい姿を残しておくためのセットにゃ」
「なんで？？？？」
「エルスにゃーに喜んでもらえると思ったのにゃー」
「う、うーん……そうね……」
　カメラを構えたティエルの声に頭を抱える、も、その手袋でエルスの苦悩はかき消されていく。ああ、これが運命か。
　ぱしゃりとシャッターを切ったティエルの手元に残った写真が、このピンナップとなっております。

　※SS担当者：染