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イラスト詳細

松元 聖霊のあさぎあきらによるおまけイラスト

作者 あさぎあきら
人物 松元 聖霊
嘉六
唯月 清舟
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2022年12月24日

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イラストSS

『いつもの』三人は。今年もまた男三人でシャイネンナハトを過ごしていた。
 去年は聖霊の趣味に合わせて、洋風の店だったが今回は嘉六と清舟に合わせて練達にある個室居酒屋である。チェーン店ではあるがツマミと酒にしっかり拘っており、それらを安価で提供しているとあって人気の店であった。
 最初は何もシャイネンナハトに居酒屋に行かなくても、と言っていた聖霊だったが注文した白ワインが思いのほか美味く、好みであったのですっかり気に入ってしまった。

「っかーーーー! ここの酒は美味いのォ!!」
「だーっはっは!! まだまだ飲むぞォ!!」
「お前ら、程々にしとけよな。面倒見るの俺なんだぞ」
 小言を言う聖霊だが、その横顔は優しい微笑みを浮かべておりまんざらでもなさそうである。真面目そのものな聖霊と性格は真逆な筈の博徒で酒飲みの二人だが、聖霊にとってこの友人たちと過ごす時間はかけがえのない物なのだ。
「聖霊! こん酒めっちゃ美味いぞ!! おまんも呑むとええ!!」
 聖霊の肩に手を回した清舟が、機嫌よく聖霊に日本酒を勧めている。彼はこう見えて周りが良く見えている。妹がいる為か、酒が回っても自分本位になることはほぼないのだ。
「はいはい、頂くよ」
「聖霊~~、そこの出汁巻きくれ~~」
「ひと切れでいいか? ほらよ、口開けな」
 嘉六は普段から世話を焼かれなれているからか、割と甘え上手な節がある。酒が入るとその傾向は強まる様で、普段の女性を口説く姿を知っているとギャップで笑ってしまいそうになるのだ。ご希望の出汁巻きを口元に持って行ってやるとあーと素直に口を開けるのがまた面白い。
「つーか、嘉六。お前、耳でてんぞ。そろそろセーブしときな」
「えぇーーまだいけりゅってぇのぉ!!」
「すでに呂律が怪しいじゃねぇか」
「そうじゃのぉ。おまん、このあと、〆のおでん食べるんじゃろ? 儂は酒強いからええけど」
「たべるっっっっ」
「めっちゃ巻き舌」
 ぶんぶんとはちきれんばかりに尻尾を振り、勢いよく頷いた嘉六の額が机の角に当たりかけたので慌てて清舟が受け止めてやった。と、同時に嘉六の輪郭がなんか変な感じになっている。
「嘉六のやつ溶け始めたぞ聖霊!!」
「あーーー服を脱ぐな! 嘉六!! 聴いてんのか嘉六!!」

 この後嘉六が脱ぎ散らかした服を集め、増えた荷物に苦笑いをしながら清舟と聖霊は溶けた嘉六を抱え、いつものおでん屋台に向かうのであった。


 ※SS担当者:白

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