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ふかふかもふもふ!/ねむるIL
ふかふかもふもふ!/ねむるIL
イラストSS
日々、忙しなく過ぎて行く。
過ぎゆく命の一つ一つに思いを馳せては心は沈み行くものだ。
黄泉津瑞神は自らが棲まう一室で一人ぼんやりと過ごしていた。そんな彼女を心配してメイメイは謁見を申し入れたのだ。
ふわふわとした毛並みを有する瑞神は「どうかなさいましたか?」と振り返る。
「輝かんばかりのこの夜に、です」
「ああ。そういえば祝いの日でしたね。静寂の夜に感謝を」
穏やかに返す瑞神の尾がふわりと揺らいだ。メイメイはにんまりと微笑んでから「瑞様に贈り物をお持ちしました」と頷いた。
取り出したのはクリスマスカラーのふわふわとしたブランケットである。
「まあ、素敵」
「暖かいのですよ」
そっと彼女を包むように包み込めば瑞神はぱちくりと瞬いてから尾をぶんぶんと揺らがせる。
「まあ、本当に暖かい」
心地良いその気配に頬ずりをした瑞神を抱き上げるように包み込んでから「気に入って、いただけたのなら、うれしいです」とメイメイはその背を撫でた。
「瑞さまも、大変なことばかりです、が……抱え込みすぎないように、なさって、くださいね」
「ありがとう。心配をかけましたね」
前足でブランケットをモフモフと踏み締めながら瑞神は「けれど、もう大丈夫。今日はゆっくりと眠れそうです」と尾を揺らがせた。
*SS担当:夏あかね