イラストSS

「やっほー！　ほむらちゃん！」
「だ、だぶるほむらですね。へ、へへ」
　学校帰り、校門前で待ち伏せしていた焔が、ほむらの腕をとる。
「それじゃ行こうか」
「え、え、ちょっ。どこへですか」
「クリスマス限定のスイーツとか食べに行こうよ！」
「あ、あー……」
　ひきずるように連れて行く。
　甘い物食べたいし、新作が良いし、しかも焔はほむらが割とそういうのが好きなことを知っていた。
　というかほむらは女の子がこういうことしてるスチルが沢山のゲームばかりやっているではないか。
　あと数日でクリスマスの午後だから、駅前はいよいよ華やいでいる。
　なんというかめっちゃ女子とかカップルとか居るし、やばい感じだ。
「ここ、ここだよ！」
　とにかく店に入る。当然のように女子だらけ。
　とはいえさすがのほむらとて、メニューを見れば落ち着いてくる。食い気が勝ってくるのだ。
　焔はそんな様子をにこにこと眺め、さっそく注文しよう。
「ボクはクリスマスタルトで！」
「あーじゃあ、このチョコとフランボワーズの、えっとキャロルっていうのを」
　さっそく登場したタルトを、焔はフォークで一口。
「美味しい！」
　クリアタルトの甘酸っぱい苺の風味に下層のレアチーズ、それからサクサクと香ばしい味が口いっぱいに広がってくる。これは幸せの味だ。
「あっ、そっちのも美味しそう！　一口ずつ交換しようよ！」
「こ、こここ交換ですか！？」
「はいっ、あーん！」
「あ、うっ……あ、あーん」
　めちゃくちゃ頬を染めながら――ぱくり。
　ほむらがちょっとにまっとしたのを、焔は見逃さない。
「それじゃボクにも、はいあーん！」
「あ、あ、はい」
　こちらもとろとろのチョコソースと、ラズベリーの酸味が良く合っている。
「こっちも美味しいね！」
「へ、へへ、そうですね」
　こういうのも、きっとありなのだ。

　※SS担当者：pipi