イラストSS

　雪の降る、シャイネンナハトの夜。
　人通り少ない街角の一角、郷田　貴道とココロ＝Bliss＝Solitudeの二人は……雪の中を歩く。
「……大丈夫か、寒くはないか？」
「ええ、大丈夫です……」
　時折心配する様声を掛ける貴道と、微笑み返すココロ。
　暫し道を歩いて行くと……小さな公園の様な場所に到着。
「あ……貴道さん。ちょっと休んでいきませんか？」
　ちょっとはにかむ笑顔と共に、手を引くココロ。
　貴道はその手に引かれるがまま公園の中へ……そして、ベンチに座る。
　そこに貴道が座ると……正面にココロが。
「ん……どうしたんだ？」
「……あの……えっと……これを、差し上げたくて……」
　真っ赤な服の懐から……緑に金色の線の包み紙に包まれたプレゼントを取り出す。
「えっと……一年間、いつもありがとうございました……これ……プレゼント、です」
　その手のプレゼントを、そっと貴道に差し出すココロ。
　ココロの少し赤らめた顔も、貴道の鼻先にまで近づいて来る。
「……あ、ありがとう」
　貴道もそれに……少し顔を赤くしながら、手を差し出す。
　その瞬間に……一瞬強く吹き込む風。
　ふわり、とココロの帽子が飛ぶと、金色の眩い髪もふわりと靡く。
　プレゼントを縛るリボンの色と、その髪色が重なり合い……暫しココロと、見つめ合う。
「……だ、大事にする……」
　と言いながら貴道は、ココロに赤面しながらも微笑んだ。

　※SS担当者：緋月燕