PandoraPartyProject

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ラヴィエルのMewによるおまけイラスト

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 今日は夜が訪れても明るい日。人々は室内で、あるいは外で、思い思いに平和なこの時を過ごすのだ。

 ――そんな平和の象徴ともいうべき日に、街角の一角ではお祭り騒ぎの様相を呈していた。
「サンタさんだ!」
「サンタのお姉ちゃーん!」
「アルテミアちゃーん!」
 普段ならばこの時間は眠っているような小さな子たちから、イレギュラーズが赤い聖人の姿になると聞いてやってきた大人たち。なにやら蛍光色の塗料でメッセージの描かれたうちわを持った若者たちもいる。
 訪れた理由は人それぞれとは言え、彼らへ等しくプレゼントを配っていくのがイレギュラーズたちのサンタ活動である。
「頼むぜ、サンタガール達ッ!」
 集めた女性陣へそう告げるラヴィエル(p3p004411)――おっと、良い子は見ちゃダメだぞ!!
 何はともあれ、サンタガール達がプレゼント配りを始める。傍らに信じられないくらいすけべなサンタが――風邪をひかないか逆に心配になってくる……――いるものの、可愛く綺麗な女性陣達によって注目は概ね逸れていると言って良い、だろう。
「どうして私は名前呼びなのかしら……?」
「そりゃあ、アルテミアさんが人気者ってことっスよ!」
 首をかしげながらも一般人へ微笑みかけるアルテミア・フィルティス(p3p001981)へイルミナ・ガードルーン(p3p001475)が返しながら、寄ってきた子供たちへプレゼントを贈る。
「はーい、1人1つっスよー」
「「はーい!」」
「ちゃんと守れてえらいですね」
 1人ずつ並んで、受け取ったら列から離れる。そんな子供たちの姿にマリエッタ・エーレイン(p3p010534)が褒めれば、悪ガキっぽい少年たちが得意げに――少し頬を赤くしながら――そうだろうと言わんばかりに胸を張った。
「こ、こんな感じかな……?」
 ギャルっぽく、というオーダーを受けたノルン・アレスト(p3p008817)は、最初こそぎこちなくとも段々と慣れてきて、なんなら楽しくなってきてノリノリでプレゼントを渡し始める。そんなノルンの傍らでアリス・アド・アイトエム(p3p009742)もプレゼントを受け取る人々へ微笑みかける。……が、片時もノルンの腕を離さないその姿に、ノルンへちょっかいを出すような無粋な者はいない。
「ノルン……楽しい……?」
 人の流れが切れたタイミングでそっとアリスが問いかけてみれば、ノルンは答えの代わりというように、嬉しそうな笑みを見せる。
「それにしても……皆さん、冷えないのでしょうか?」
「見た目を前に、多少の機能性は妥協できるのだろう」
 そっと仲間たちを見回したマリエッタの呟きに、エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)は淡々と答えながらプレゼントを渡す。その身はピンクの可愛らしいサンタ服に包まれており、もこもこのブーツが足を冷えから守ってくれているようだ。
 けれど露出だけがすべてではない。デザインや色の組み合わせでいくらだって可愛くも、綺麗にだって見せることはできるのだ。
「おねーさん、プレゼントちょうだい!」
 マリエッタのところへかけてきた子供が両手を差し出す。マリエッタが袋に包まれたプレゼントを渡してあげれば、冷えで赤く染まった頬で満面の笑みを浮かべて去っていった。
 その子供に手を振って、マリエッタは視線を巡らせる。たくさんの子供や大人が、カラフルな色を纏ったサンタガール達の贈るプレゼントを心待ちにしているのを感じる。
「プレゼントはまだまだあるわ! 順番を守ってちょうだいね!」

 こうして少しずつ、プレゼントが人々へ行きわたる。それはこの日の平和を示すように、胸の内に暖かな光を灯すのだろう。

 ※SS担当者:愁

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