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隠岐奈 朝顔の銅貨による2人ピンナップクリスマス2022
隠岐奈 朝顔の銅貨による2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
雪降る夜の寒さはかまくらの中では程よく和らぐ。
赤、青、紫に緑と色彩豊かなキャンドルの火にかまくらの中が優しく照らされていた。
「揺らめく炎を見ていると、心が安らぐのう」
「そうですね……ふふ」
楽しげに笑った朝顔は手袋の上から息を「はぁ」と吹きかける。
朝顔の鼻先や耳は寒さで赤くなっていた。
遮那は朝顔へと顔を向け、心配そうに問いかける。
「かまくらの中は暖かいといっても、雪は降っているし少し寒いかの?」
「いえ、そうじゃないんですけど。遮那さんも居ますし!」
こうしていると暖かくなるような気がすると朝顔は微笑んだ。
手を擦ってしまうというものは寒いときの癖のようなもので、意識している訳ではないのだ。
遮那は翼を広げ朝顔の身体を包み込む。
じんわりと背中に翼の温かさが広がった。
「私の翼は暖かいと評判でな。縁側なんかに座ってると使い魔や精霊が集まってくるのだ」
「本当ですね。とっても暖かいです」
楽しそうに微笑む朝顔に遮那は満足げに口角を上げる。
キャンドルに照らされたかまくらの中から空を見上げれば、星が瞬いていた。
お願い事は何かと問う朝顔に遮那は「皆の笑顔かの」と応えたのだ。
※担当:もみじ