PandoraPartyProject

イラスト詳細

ラズワルドのバクレツアロワナによるおまけイラスト

作者 キンイロアロワナ
人物 ラズワルド
繰切
チック・シュテル
アーマデル・アル・アマル
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2022年12月24日

3  

イラストSS

 燈堂家の地下、封印の扉はこの日ふわふわの飾りに覆われていた。
 キラキラと光を反射するクリスマスオーナメントだ。固い封印の扉にテープで張り付けてある。
 壁に視線を上げれば呪符の上から『Merry Xmas』の横断幕が張られていた。
 他にも電飾や靴下飾りなどが封印の扉の周りで光っている。
 満足げに腰に手を当てたのはラズワルドだった。
「飾り付けはこれでいいよねぇ……あとは、お酒も食べ物も用意してるから」
「何をしてるのだ?」
 封印の扉の中から繰切の声が聞こえる。
「あ、繰切サマ……これはクリスマスパーティだよ」
「祭りか……」
 心なしか嬉しそうな繰切の声にラズワルドは口角を上げた。
「去年まではお酒を飲むための口実でしかなかったのにさぁ。君がいなくて寒いから、ぱーっと騒いで忘れちゃおうねぇ」
 袋から梅シロップと葡萄ジュースを取り出すラズワルド。
「未成年者にも配慮してる僕やさしーでしょ?」
「では、今年は賑やかで寂しくないな」
「……はあ? 別に寂しいとか言ってないけど?」
 ぷうと頬を膨らませたラズワルドに繰切はカラカラと笑った。

 フラフラと頭を揺らすラズワルドは酒瓶を手にアーマデルの肩を抱く。
「なあに? 僕のお酒が飲めないってぇ?」
「ああ……まだ未成年だからな」
 つまんないとアーマデルを離したラズワルドは今度はチックへと這い寄った。
「チック君は~? 飲めるの~?」
「えっと……おれは、お酒は……飲めない」
 その場に項垂れたラズワルドをおろおろと見つめるチック。
 チックは封印の扉から繰切の手が出てくるのを見つける。
 その手は扉の前に置いてあった杯へと伸び、そのまま中へと消えていった。
「繰切も……楽しい、かな」
「ああ。楽しいぞチック」
「それは良かった。俺も楽しんでいる」
 繰切の言葉にアーマデルも頷く。
 アーマデルの身体にはイルミネーションの電飾がぐるぐると巻き付いていた。
「やはり、パーティには煌びやかな飾りが必要だろう」
 片手にペンライト、もう片方に梅シロップを持ったアーマデルはそれを天井に掲げる。

 封印の扉の外から聞こえてくる楽しげな声に、繰切も笑みを零したのだ。

※担当:もみじ

PAGETOPPAGEBOTTOM