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イラスト詳細

いいか零青年!シュトーレンは気合いだ!!

作者 薬師りぃと
人物 朝長 晴明
零・K・メルヴィル
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2022(→おまけイラスト)(サイズアップ)
納品日 2022年12月24日

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イラストSS

 商人ギルド・サヨナキドリが経営する『羽印マート』に併設された厨房。パン作りのための材料やあらゆる道具がそろえられた厨房には、零・K・メルヴィルの姿があった。
 零は何か思い悩んでいる様子で、壁にかかったカレンダーを見つめている。
 そろそろシャイネンナハト──クリスマスに向けた新作のパンをどうするか、決めなければならない。零はパン屋として、いい案が浮かばずに考えあぐねていた。そんな零の下に前触れもなく現れたのは──。
「困っているようだな、零青年!」
 食パンを咥えて戦う荒事屋──通称『厚切りのジョー』だった。
 かつて零に食パンの作り方を伝授し、パン作りに対する熱い情熱を持ち合わせるジョー。
「ならば次のパン作りを伝授しよう。今回のテーマは、そう──」
 ジョーはパンのことで悩む零のことはお見通しなのか、厨房中に野太い声を響かせる。
「シュトーレンだ!!!!」
 同時に、ジョーはどこからともなくガラガラとホワイトボードを引っ張り出してきた。そして、熱血予備校講師のごとくボードを効果的に使うことで、シュトーレンについての説明を簡潔に語る。零は慌ててメモを取る準備をした。
 シュトーレンとは、異世界の伝統的な菓子パンであると、ジョーは説明する。シュトーレンという名前には零も聞き覚えがある気がしたが、ジョーほどに詳しいことは知らなかった。ジョーは更に、シュトーレン作りに必要な材料やレシピを書き込んでいく。
「──なるほど、クリスマスの菓子パンか」
 シュトーレンについて多くを学んだ零は、「これならいける! なんならアニー(嫁)にご馳走も出来る予感!!」と期待に胸をふくらませた。
「さあ、早速シュトーレン作りを始めるぞ!!」
 ジョーに促されるままに、零は材料を揃えようと貯蔵庫に向かう。こうして、2人はシュトーレンの商品開発に励むこととなった。
「──シュトーレンといえば、ぎっしり詰まったナッツやドライフルーツだ!!」
「はい!」
「洋酒に漬け込んだ味と、生地が馴染む頃合いは──」
「なるほど!!」
 ジョーの強火の指導、叱咤激励を受けながら、零は羽印マート特製シュトーレンを完成させようと、日夜研究を重ねた。聖夜のひと時に笑顔になれるような、最高のシュトーレンを完成させるために──。

 ※SS担当者:夏雨

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