PandoraPartyProject

イラスト詳細

シラスの流聖飛鳥による2人ピンナップクリスマス2022

作者 流聖飛鳥
人物 シラス
アレクシア・アトリー・アバークロンビー
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2022(サイズアップ)
納品日 2022年12月24日

6  

イラストSS

●Just walk beside me and be my friend.
 極光を視た。

 果てなき空と我前に拡がる湖面の境界に、とろりと垂らした蜜の様な黄金と赤き眩暈が滲み、上の方には質の良い青凍ての天鵞絨に縫い付けられた星がちらつき始めている。
 何億光年と前に放たれた星の光と、ゆらゆらと風に靡くカーテンの様な今、此の瞬間しかない光の共演に、シラスとアレクシアのふたりは寒い外気と一緒に息を呑んで、嚥下して、其れから必死に此の美しい光景を表現すべきかと頭の中にある言葉を探していた。
 空はこんなに賑やかなのに、不思議と其の場所には静寂に包まれていたから、尚の事気の利いた一言でも云ふべきかと思い悩んで――。

    ね
「綺麗だ 。」
    な

 ふと漏れた率直な一言に、顔を見合わせて、可笑しくなって。
「思い切って道を外して正解だったぜ……。いや、迷ったんじゃないから本当に」
「本当に……? まあ、こんなに素敵な景色が見られたんなら、それでもかまわないけれど!」
 『絶対に』『断じて』としどろもどろに繰り返すシラスを胡乱に見上げ、アレクシアは『まあ許しましょう!』と腕を組み胸を張って見せた。辺りはすっかり暗く夜の帳が下りる頃で、然し如何してこんなに目映い自然の奇跡で照らされていればランタンだなんて無粋な物は必要無い様だった。

「もう日が沈むね、辺りの魔物は俺らで片付けたはずだけど気が抜けないや」
「うん……。ねえ、シラス君。誰もが平和に、この景色を見られるようになるといいね」
 約束をした兄さん(かぞく)、青い羽根を持つ騎士、大切な友人達。そして世界中の人々に話してみたいのだ、此の世界は未だ未だ沢山の素敵な宝物を隠している意地悪さんなんだって事を。
「スケールでけぇなぁ、……――でも、」
「でも?」
「出来ないとは言わないし言わせないぜ、だって俺達なんだから!」
「ふふ、違いないや!」

 ※SS担当者:しらね葵

PAGETOPPAGEBOTTOM