イラスト詳細
聖夜、友との語らい
聖夜、友との語らい
イラストSS
「此度は誘ってくれて感謝する」
「いえいえ、こちらこそ」
喫茶店の中はよく暖房が利いていて、体が休まる心地がする。バクとロージーの二人は、柔らかい椅子にゆったりと身を委ねる。
冬野菜を使ったパスタに、飲み物には暖かなジンジャーティー。軽食とともに、会話は弾む。
「異文化の実話といえども、宗教家である己にとっては少々馴染みにくい所があった。しかし、こうして友と語れる機会であると考えればとても良きものであるな」
バクは幼き身に似合わぬ落ち着いた語り口で、言葉を紡ぐ。
「ははっ、そう仰ってもらえると幸いでございますよ。それではまだまだ夜も長いですし、色々と語りましょうか」
――そうやって、話もそこそこに。デザートには苺のショートケーキとプリンだ。
唇にだけ微笑を乗せて、ロージーはお互いの前に置かれた二品を見た。
「どうぞ、遠慮せずにもっと召し上がっても」
一見冷ややかなロージーだが、表情には確かな穏やかさがあった。バクは微笑みを返しながら、老骨にはこれぐらいがちょうどいい、とプリンを口に含んだ。
友人二人での、和やかな聖夜が過ぎてゆく。
(あぁ……ショタがほおばっている所は実にジャスティス!)
もっとも、澄ました彼女の熱情を知る者は、誰もいなかったが――。
※SS担当者:梢