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レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタインのUruによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタインのUruによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
イラストSS
肌を突き刺すような冷たい空気を唸りを上げる雪玉の球威が切り裂いた。
恋人同士ならばうっとりしてしまうような、そんな一面の銀世界に仁王立ち、互いの相手を睥睨する――ジュアとレイチェルの時間は繊細で甘やかなものとは余りにも遠かった。
一言で言えば、雪合戦。それは大の大人の魂さえ何処か揺さぶる魅惑の響き。
「ジュアは遊びで手を抜くほど器用じゃないよ」
「奇遇だな。同感だ」
「おりゃあ、くらえ」
「うごふっ!?」
斜に構えて格好つけたレイチェルの顔面に雪玉が弾け、彼は彼らしからぬ間抜けな声を上げる事になる。
「くくく……はーっはっはっは! やられたらやりかえーすっ! 食らえぇえ!!」
高笑いは威勢が良いが、インドア派の彼は既に良い感じに被弾していて。
強いか弱いか、得手か不得手かで言えば大いに後者で――だが、それも結果的に場を温めて盛り上げている。
雪の散る夜に、白い息が弾む。
肩で息をするのは二人共同じだが、不思議と寒さは感じない。
「やー、雪で真っ白になってしまった」
のんびりとそんな風に言ったジュアの方はと言えばあくまで気楽な様子である。
シャイネン・ナハトの一幕はこんな時間さえ許容する。
――今夜ばかりは幼子に戻って、雪戯。
例えばこんな時間もきっと代え難いものになる。