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イラスト詳細

フィンスター・ナハトの花海ゆうこによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017

作者 花海ゆうこ
人物 フィンスター・ナハト
リィズ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2017(サイズアップ)
納品日 2018年02月13日

4  

イラストSS

 幻想の夜に雪がふる。六花の欠片は青く月明かりを反射し、明かりを消した室内を淡く、蒼く、蒼く染める。
 言葉はない。だけれどもそれでかまわなかった。ベッドに腰掛ける少女の膝に青年は寝転がる。たったそれだけの静かな時間。それだけが愛おしくて、永遠にこの時間が続けばいいとおもう。たった二人だけの大切な時間。誰にも邪魔されることのないように。
 兄の銀色の髪をそっと撫でる。少しだけ痛んだその銀髪は兄らしくて自然と微笑みが浮かぶ。その様子にどうしたと目で訴えた兄に妹は首を横にふる。なんでもない。なんでもないこの幸せがくすぐったくて嬉しくて。それだけの話だ。
 兄もまた手を伸ばし、妹の頬にふれる。冷たい兄の手。大きな手。優しい、私だけの手。愛おしくて目を細めれば、自分がしていたように頬をやさしく撫でられる。
 ほんとに、本当に、なんて幸せな時間。大好きな兄が私を見てくれる。
「お兄ちゃん」
 そう呼ぶだけで幸せになれる。なんて魔法みたいな言葉。お兄ちゃん。口のなかで繰り返せば、兄はなに? と答える。
「呼んでみただけ」
「そうか」
 たった二人の雪のシャイネン・ナハトの夜は静かに。何か変わったことが起きるわけでもないけれど。それでも幸せだった。

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