PandoraPartyProject

イラスト詳細

おてんばな姫様の手懐け方

作者 猫星 一之進
人物 リチャード・ハルトマン
朝長 晴明
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2017
納品日 2018年02月13日

7  

イラストSS

 きっかけは朝長の一言だった。
「クリスマスケーキを売れば儲かる」
 今思えばなぜそれを提案したのかはわからない。あの、クリームを絞り出すことなんて一瞬だろうと思っていた。しかしケーキ作り……だけではなくお菓子作りというものは繊細で、分量一つが味を左右するという難しいものだったのだ。 いつものスーツのベストを脱ぎ黒いエプロン姿の朝長は目の前の宿敵(ケーキ)と格闘をしている。
 そんな朝長をリチャードはニヤニヤと眺めている。リチャードは黄鮫亭のマスターだ。スイーツは甘くてちょろいお姫様のようにみえるが、なんともおてんばで気難しい姫だということは知っている。だから、そんな朝長の提案にそうだなと乗った。案の定、朝長はクリームを絞り出すことにすら苦労している。
「くっ。こりゃ難しいな……」
 姫をあやす騎士殿はずいぶんと苦戦している。頬にクリームがとんでいるのすら気づいていない。そんな朝長の頬からすいっと機械の指でクリームをすくい上げるが気づいた様子はないことにリチャードはくつくつと笑う。
 ケーキの上にはリチャードと朝長を模したマジパン。器用にもリチャードが作ったものだ。
「くっそー、簡単だとおもっていたのにな」
 朝長の格闘は続く。1つ目のケーキが出来上がるのがシャイネン・ナハトの間のうちだと良いのだが。リチャードはそう思った

PAGETOPPAGEBOTTOM