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栂瀬・なずなのたぢまよしかづによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
栂瀬・なずなのたぢまよしかづによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
イラストSS
「本日は特別な日だそうで」
ノインは酒瓶の蓋を開ける。と、視線を横へ向ければ数々の料理になずなが目を輝かせていて。
「旅人たる貴女の口に合えば良いですが……仰って頂ければ取り分けますよ」
「えっと……それじゃお肉とサラダ、頂けますか?」
かしこまりました。と続く動作はスムーズに。
皿に切り分け盛って。なずなの前へと用意すれば。
「こちらでのクリスマスは初めてですね」
「はい。一人で過ごす事にならなくて幸いでした」
「お互い孤独でなくて良かったですね」
特別な日に独りというのは些か寂しい。ここに『誰か』がいたのは良かったと彼は言って――
「私は」
しかし、なずなは。
「――ノインさんとご一緒出来てとても嬉しいです」
誰かではなく『貴方』だと。確かに今、そう告げた。
「そうですか? それは、なんだか」
恥ずかしい感覚ですね。そんな言葉が漏れた時、ふと口の端をゆっくりと手で押さえた。
どうであったか今のは。なんであったか今のは。
「あ、ケーキも分けておきます……!」
「ふふっお願いしますね」
思い出したかのようにケーキへと向くノイン。笑みがこぼれるなずな。
些かな雰囲気の中、盛られたサラダを管狐の妖怪が齧っていた。