イラストSS

　木製の一室を赤と緑の装飾で飾り、Scheinen Nacht（シャイネン・ナハト）を祝う５人は美味しい食べ物が並べられていくテーブルの回りで談笑をしていた。
　クロバは、ケーキ用ナイフでケーキを切り分けたのを皿に乗せて配る。
「はい、フライドチキンとサラダだよ。あと少しでシチューも出来るから待っててね」
　トナカイの様な格好をしたリゲルが、両手に持って大きなボウルに入ったフライドチキンとサラダをテーブルに並べる。
「美味しそうですが、ワタシはケーキを優先します」
　サンタ風のベレー帽に、白いマントと赤いワンピースを着たエーラは、料理を眺めつつ大好物のケーキを嬉しそうに頬張った。
「それでは、今年は良い子にしていたセララさんに～プレゼントだよ！」
　サンタの格好をしているシエラは、白い布の袋から赤いリボンでラッピングされた白い箱をセララに差し出す。
「わーい♪ありがとう！　シエラ！」
　頭に着けてる触角の様なリボンを上下に揺らしながらセララは、歓喜の声を上げながら差し出されたプレゼントを受け取る。
「エーラ、皆の分まで食べてるなよ？」
　と、ケーキの減りが早いのを見てクロバは、１ホールを食べてしまいそうなエーラに言った。
「大丈夫だよ。そんな事もあろうかと、多めに焼いているよ」
　リゲルが小さく笑いながら答える。
「ケーキを食べる為の日、とワタシは認識しています」
　だから遠慮はしない、と付け加えるとエーラはケーキを頬張った。
「今日くらいは良いと思うよ。皆でシャイネン・ナハトを祝う日なんだから！」
　シエラは、嬉しそうに食べるエーラを見て微笑んだ。
「クロバ、リゲル、エーラ！　ほら、シエラがボクにプレゼントをくれたんだよ！」
　その隣でセララが、プレゼントを皆に見えるように頭上に掲げた。
「良かったね、セララ」
　リゲルは微笑ましく見つめ。
「プレゼントは後で見ることにして、ほら、椅子に座って皆で食べよう」
　クロバは、セララの小さな体を軽々と抱えて椅子に座らせる。
「そろそろシチューも」
「私もお手伝いしするよ」
　リゲルがキッチンに踵を返すと、シエラはその後を追うように歩み出す。
　笑みが絶えず、温かい食べ物を友人達と食べて過ごす日は、幸せで楽しく来年もまた皆で過ごしたいと思いながらシャイネン・ナハトを祝った。