イラストSS

　ダンディ☆プリンスのシャイネンナハトは忙しい。
　孤児院の台所に立っていたゲオルグにショウは「準備は良いかい？」と声を掛けた。
　二人は男性ユニットとして時折歌うことがある。アイドルとは夢と希望を与える存在だ――だが、それは歌って躍るだけではない。
　聖なる夜に特別なご馳走をプレゼントしようと二人は子供達には内緒で料理をしているのだ。
　サプライズされた手料理を見れば子供達は屹度喜んでくれるはずだとゲオルグの口許が緩む。
「ああ。オーブンにチキンは入れた。シチューの具材も切ってある」
「オーケー。パンも焼いておこうか」
　滞りなく二人で準備を続ける最中、ショウは「おっと、ケーキはどうする？」とゲオルグを振り向いた。
「ああ、とびきりのモノを用意してやった方が良いな」
「チョコと生クリームならどっちが良いと思う？」
「……いっそ、どっちもだ」
　素晴らしい判断だとショウが手を叩いて喜べばゲオルグは大きく頷いた。
　子供達にばれないように。皆は大掃除に奔走しているらしい。お腹を空かせた彼等に『たっぷりのプレゼント』を披露するべく今はこっそりと調理に勤しもう。


　＊SS担当：夏あかね