PandoraPartyProject

イラスト詳細

しにゃこのはちごうによるおまけイラスト

イラストSS

 輝かんばかりのこの夜は、パーティーの準備も大忙し!
 猫の手ならぬポメの手も借りたい、という事で。
「クリスマスケーキの飾り付け……ですか。一見簡単に見えて、繊細さが求められるこの仕事。真面目に取り組む必要がありそうですね、しにゃこさ――」
 言葉の途中でリュティスは口をつぐんだ。視線を向けた先で、しにゃこがケーキの生クリームをごっそり指ですくってつまみ食いしているのである。
「ケーキにイチゴを乗せる役は、しにゃに任せてくださいよ! もぐもぐ……ほら、ちゃんと可愛く見栄えよく配置できてるじゃないですか、むぐもご」
「イチゴの周囲は芸術的なぐらい凹んでますけどね!? アカツキ様も何か言ってやってください!」
「安心せい! 妾もちと、このケーキには物足りなさを感じていたところじゃ」
「うんうん……うん? 物足りない、ですか?」
「芸術は爆発というからのぅ。シャイネン・ナハトのケーキも派手に! ロウソク100本ぐらいどかーんと立てて派手にするのじゃ~!!」
「ああぁ溶ける溶ける溶ける!!」
 クリームの欠けた所が溶けて隠れて結果オーライ☆ という訳にもいくまい。暴走する2人を止められず、リュティスは渋い顔をする。
「嗚呼。このままではパーティー開始に間に合いません……」
 現実逃避にポメ太郎でも抱きしめようか。ぼんやり思ったリュティスの眼前に、今度はぷらーんと赤いナニカがぶら下がる。
「……はい?」
 もむもむ、もちゃもちゃ。
「わう~♪」
 ケーキの仕上げに乗せる予定のサンタのマジパン。その頭をがっぷりとポメ太郎が口にくわえている。頭上でくり広げられる悪戯をリュティスが理解した瞬間――プツン、と何処かで何かが切れた様な音がした。
「しにゃこ様、アカツキ様、ポメ太郎」
「むぐ?」「のじゃ?」「わう?」
「真・面・目・に! やってくださーーーい!!」

 ドカーン!!

――リュティスの怒りが爆発してから数分後。
 ケーキ作りをしていた厨房の外、雪の積もった庭には雪玉に埋まっているアカツキとしにゃこの姿があった。ポメ太郎は雪に埋まらずに済んでいるものの、雪玉の上に乗る事になって寒そうだ。
「しにゃこ、風邪ひいちゃいますよぉ」
「ちーっとばかし、やりすぎたかのぅ」
「わぅ……ぶるる……」
「頭が冷えたなら、最初からやり直しますよ」
 しょんもりしている二人と一匹。様子を見かねたリュティスは、はぁと溜息ひとつ。
「出来上がったら、ねぎらいのお茶とお菓子もありますから」
「それなら俄然、やる気が出て来たのぅ!」
「さっすがリュティスさんですね!」
「わう! わうわうーー!!」
 パーティー開始まであと少し。三人と一匹のドタバタ劇はまだ続く!?


 ※SS担当者:芳董

PAGETOPPAGEBOTTOM