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紫電・弍式・アレンツァーの黒猫による2人ピンナップクリスマス2021
紫電・弍式・アレンツァーの黒猫による2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
シャイネンナハトのパーティーの喧噪も遠離る。眠たげに瞼を擦った友人に「先に眠れ」と声を掛けてから紫電は散らかった部屋の清掃に取り掛かった。
「私ちゃんも手伝うよ」
秋奈の計らいに、思ったよりも早く片付けが終わったと安堵する紫電は足元に転がっていたクリスマスオーナメントにバランスを崩す。
不意を衝いて転げた紫電の視線の先には秋奈。「秋奈」と名を呼べば、ぱちりと瞬く紅色の眸が転げる紫電を捉えた。
避けきれない距離に、そのまま紫電は秋奈の体を押し倒す。偶然にもその体を受け止めた秋奈の背はソファーへと転がった。
少しの衝撃と、「いたた」と呟かれた声音に紫電は「ごめん」と慌てた様に身を起こす。
秋奈と名を呼んで身を退こうと腕に力を入れた紫電の腰へと手を回し秋奈は縋るような瞳で彼女を見上げた。
名を呼ばれずとも、言葉がなくとも、熱い呼気が彼女の感情を伝えてくれる。
離れないでと囁くようなその瞳。紫電は起き上がろうと力を入れた腕をゆっくりと秋奈の首へと回して身を寄せた。
伸ばされた白い指先を逃さぬ様に重ねれば、ぎゅうと力強く絡め取られた。
言葉なんていらない。その温もりと、眸だけで分かるから。
身を寄せて、愛を伝えるように重ねた口づけは――
*SS担当:日下部あやめ