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新田 寛治のkzgr_によるおまけイラスト
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「ン゛ア゛ア゛アアアアアアアアアアアアアアアア゛!?」
銀世界に悲鳴があがった。
通りすがりの鹿がハッと顔をあげ、そして何事もないように歩いて行く。
声は雪の平野を少しだけこだましたかと思うと、周囲の雪に吸われるように消えた。
今宵は、そんな悲鳴にまつわる物語をお届けしよう。
叫び声の中心には、美女が一人。
それもクリスマスオーナメントの如きビキニ水着とサンタ帽子を身につけた、雪の妖精のごとく白い肌と涼しげな髪色をした美女であった。
美女は氷のように冷たく微笑むと、まるで底知れぬ悪へと誘い込むように両手を翳す。
「ハイその状態で三つ数えるあいだ止まってください。サン、ニーーーーーイ」
パシャッチチチ――というデジタル一眼レフカメラの独特な電子音がした。
それが幾度か繰り返された、後に……。
ドッと高い木の枝から大量の雪がこぼれ落ち、彼女の両肩へとのしかかった。
そしてあがる、叫び声。
コルネリアはあぎゃーとうぎょーの中間くらいの声をあげながら、膝をあわせて飛び跳ね両手で二の腕をさする。
「嘘吐きぃ! 眼鏡の嘘吐きぃ! 水着で写真とるだけでいいって言ったくせにぃ!」
「嘘は何もないはずですが」
雪の平野からズボッて出てきた眼鏡(新田)が眼鏡をくいくいしながら振り返った。
「ロケ地が鉄帝北部だなんて聞いてないわよぉ!」
そこへ更に風が吹き付け、悲鳴がまた一度あがった。
担当GM:黒筆墨汁