イラストSS

「お久しぶりですカルウェットさん！　メリークリスマス！」
「涼花！　涼花、久しぶりする…あ、えと、メリークリスマス、するな」
　ふんわりと波打ったのはローズクォーツのロングヘアー。可愛らしい紅色のワンピース姿のカルウェットの隣ではにゃあと猫が一声鳴いた。
　サンタクロースの帽子に付け髭を。イベントで使用したアクセサリーを取り出して涼花はカルウェットを見てにんまりと微笑んだ。
　寒さを凌ぐコートに身を包んで、涼花はゆっくりとキャリーケースへと腰掛ける。取り出したのはカルウェットご期待のアコースティックギター。
「ねぇねぇ、今日も、それ、楽器、もつ、してる、するよね。演奏、するしてほしいぞ！」
「ふふ、任せてください！　リクエストはありますか？」
　可愛らしいはじめての友人のお願いに答えた『かわいいサンタクロース』はカルウェットのリクエストに応えて弾き奏でる。
　カルウェットが共に歌える簡単な童謡を中心に、心沸き立つ音色は響く。
　その響きが、その音色が何よりも好ましいから。カルウェットは涼花の歌声に体を揺らせてリズムに乗って。
「涼花、もっと、演奏、するしてほしい！　いい？」
「はい。次は――」
　光り輝くこの夜に、響く音色は降る雪の寒ささえも忘れさせて。


　　＊SS担当：日下部あやめ