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Pleasure treasure
Pleasure treasure
イラストSS
カチンと。
二人のグラスが音をたてる。
静かなバーに透明なその音が響く。
「幸せたれ。私の友達」
「ああ、幸せたれ。俺の友達」
言って二人はカクテルを一口飲んで笑う。
「ふふっ、気取りすぎだねえ」
シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)が誂う。
「そうかい? シャイネンナハトの夜くらいは気取ってもいいだろう?」
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)はくつくつと笑いながら、フローズンブルーマルガリータに口をつける。
シキの瞳のような青いカクテルはニコラスによく似合う。
「まあ、そうかもね?」
シキもまたオールドファッションを飲む。
世界でも一番と呼ばれるそのカクテルはウィスキーベースの材料が少なく最低限の道具で作ることのできるシンプルなものだ。
まるでお前のようだとシキは思う。
静かに酒を飲むだけのその時間。
特に話すこともない。
それでも、この時間は宝物のように思う。
ニコラスはいつもより穏やかに微笑むシキの顔に満足する。
シキはいつもより優しげなニコラスの顔に安堵を覚える。
「次はそれを飲もうかな?」
シキは指先でニコラスのグラスを指す。
「じゃあ、俺はそっちにするか」
まるでときが止まったかのような穏やかな時間に二人は揺蕩う。
シキの輝く宝石(アクアマリン)の瞳にニコラスは誘ってよかったと、そう思った。
※SS担当者:鉄瓶ぬめぬめ