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これはギフトが勝手にね
これはギフトが勝手にね
イラストSS
――シャイネンナハトの夜。
こんな時でもローレットは時に動いてもいるものだ。
一室に灯りが見える――其処にいたのはギルオスに、ハリエットか。
「ふぅ。大分時間が経っちゃってるね……ちょっと休憩しようか」
「ん。ごめんね、こんな日も付き合ってもらって……」
「ははは良いよこれぐらい。それより、ケーキも実はあるんだよね――一緒に食べよう」
それは勉強の為だ。仕事の合間に、彼女の文字の勉強を進めていたのである。
机上には数多くの本やノートが散らばっている、か。
だけど根を詰めすぎても良くない。
ケーキでも食べて休憩を――と、思っていれば。
「……あれ? ハリエット、寝ちゃったかな……?」
「…………寝て……ない、よ……」
疲れが出たのか、ハリエットは突っ伏している。
微かに返事はあるものの――夢半ば、いや七割ぐらい足を踏み入れている所か。
ならば無理に目覚めさせる事はあるまいと、ギルオスはハリエットの髪に触れて。
「……輝かんばかりの、この夜に」
微かに、言葉を彼女へと紡ぐものだ。
暖かなその言の葉をハリエットの耳が捉えていたかは分からない。
だけど彼女の寝顔には――穏やかな笑みの色が、浮かんでいるものだった。