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ベネディクト=レベンディス=マナガルムの楠木なっくによる2人ピンナップクリスマス2021
ベネディクト=レベンディス=マナガルムの楠木なっくによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
祈りの祝詞が教会に響く。
ステンドグラスの色彩が月明かりに浮かぶ。
シャイネンナハトの喧騒とは別世界のように静かなそこでベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は自らの領地の発展と、自身に関わるすべてのものに幸せあれと剣に祈る。
その祈りは自らの後ろに佇み同じように祈りを捧げる従者である秋月 誠吾(p3p007127)も含む。
そんな彼をベネディクトは一瞥すると祈りを続ける。
どうも彼は真面目に自分に従い尽くしてくれる。後ろではなく隣で一緒に祈りたいと思うのだがきっと彼は固辞することだろう。
それが解るからベネディクトは何もいわない。いつか自分から、隣にきてくれるようにと祈る。
誠吾は主の背中が好きだった。
自分は罪人だ。自分と他人の命を天秤にかけ、殺した。そんな最低な自分を彼は受け入れてくれた。
そんな主の盾になると誓う。
戦うことは今でも嫌でしかたない。
それでも自分が主の弱点になることだけは避けなくてはならない。
彼は祈る。
主の輝かしい未来と、自身が殺めてしまった命への償いの意思。
そして黒狼の皆が穏やかに暮らせるようにと。
消せない傷を負った少年は今や他者の幸せしかいのることができない。
ぽん、と肩が叩かれる。
祈りに夢中になってしまって主が移動したことにすら気づかなかった。
顔を上げれば月明かりに浮かぶ主の相貌。
「そろそろ食事にいかないか?」
そう言って笑んだ主に従者は大きくうなずいた。
※SS担当者:鉄瓶ぬめぬめ