イラストSS

　シャイネンナハト――クリスマスの夜と言えばパーティーである。今年の夜も、イレギュラーズたちを労うためのパーティーが各所で開かれた。
　北欧風の料理が並べられた立食パーティーの会場には、フルール プリュニエと浅蔵 竜真の姿があった。
　大人びた黒一色のパーティードレスで着飾るフルールは、早速竜真の姿を見つけて乾杯を交わす。
「そのスーツ、とても素敵ですね」
　普段とは異なる雰囲気――ドレスアップしたスーツ姿の竜真に対し、フルールはにこやかに言った。
「ありがとう。フルールのドレスも似合ってると思うぞ」
　竜真の賛辞に対し、フルールははにかみながらもどこか誇らしげな表情を見せた。
　パーティーならではの豪華な食事が並べられる中、フルールは種類豊富なデザートにも食欲をそそられた。かなり小柄なフルールは、腕を目一杯伸ばしてテーブル中央のデザートを引き寄せようとする。それを見兼ねた竜真は、フルールのためにデザートのケーキを皿に取り分ける。竜真のスマートな動作に感激したように、フルールは表情を輝かせた。
「ありがとう、竜真おにーさん♪」
　初めて出会ったあの時から、竜真自身がフルールを助けたいと望んだように――。
「これからも、何かあれば頼ってくれ」
　フルールは竜真にとって放っておけない気持ちを起こさせる存在だった。
　聖夜を祝福するパーティーを満喫し、2人は新たな思い出を記憶に刻むのであった。


　※SS担当者：夏雨