イラスト詳細
輝かんばかりのこの夜に!
作者 | モメ |
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人物 | アルヴィ=ド=ラフス ブランシュ=エルフレーム=リアルト ミニュイ・ラ・シュエット Solum Fee Memoria |
イラスト種別 | 4人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ) |
納品日 | 2021年12月24日 |
イラストSS
綺麗に飾り付けられた部屋の中央には、切り株ケーキがひとつ。
蝋燭によって照らされた部屋は明るく、ローストチキンやピザといったご馳走がならんでいる。
今からはじまる……かのように見えるが、席の一つについていた飛行種の女性はぺたんと頬をテーブルにつけてウーンと唸っていた。
「ミニュイさん、水……」
既にだいぶ酔っ払っているのだろう。ぐったりしたミニュイ・ラ・シュエットの背をSolum Fee Memoriaが心配そうにさすっている。
可愛らしくたった猫の耳と尻尾は、この場が楽しいことを言外に示しているようだったが……。
「うーん……もう飛べない……」
「飛ばなくていい」
とりあえず飲んで、と水の入ったコップをミニュイの頬にぐいぐいと押しつけると、ミニュイはのったりと身体をおこしてそれを受け取った。
「Solumさん、お姉さんなのです……」
「まあ、年長者だし間違ってないな」
起動してからあまり経っていないブランシュはともかく、大人びたミニュイやアルヴァよりも年上というのは、言われて見ると意外である。
吸血鬼なので外見と年齢が一致しないのは当然といえば当然なのだが……。
「ああ、そうだ……ほら」
アルヴァが鞄からごそごそと取り出したのは青い包みだった。赤いリボンで口が結ばれ、誰がどう見てもクリスマスプレゼントの包みである。
それを、ブランシュの目の前にスッと翳す。
水とくぴくぴ飲んでいるミニュイとSolumがその様子をじっと見つめ、当のブランシュはきょとんと目を丸くしていた。
三人の視線はプレゼントに集まり、そして次にアルヴァへと向く。
「な、なんだよ……なにかおかしいかよ」
「いや、別に、何もおかしくないよ」
「意外? ……かな?」
Solumとミニュイがちらりと顔を見合わせる。アルヴァの最近の変化とその理由を知らないわけでもないからだ。
対してブランシュは。
「これを……くれるのですか? どうしてですよ?」
まるで分からないといった顔と純粋な瞳に、アルヴァが頬をかく。
「今日は、そういう日なんだよ」
「大切な人にプレゼントをあげる日」
「そうそう、大切なひとに」
「強調するな! そこを!」
うっかり声を荒げたアルヴァに、ブランシュがくすくすと笑う。
「ありがとうですよ! 初めてのシャイネンナハト、素敵なのですよ!」
また、大切なメモリーができた。
ブランシュは笑い、そして三人もつられて笑った。
誰からともなくシャンパングラスをとり、掲げる。
「「――輝かんばかりのこの夜に」」
担当GM:黒筆墨汁