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アルペストゥスの来栖彰によるおまけイラスト
アルペストゥスの来栖彰によるおまけイラスト
イラストSS
「アル」
呼びかけられてからアルペストゥスは「ぎゃう」と首を傾いだ。
リリーはシャイネンナハトだよと白い息を吐く。小さな友人が雪の降る中にやってきてくれた。
アルペストゥスにとってシャイネンナハトとは何かは分からないが、去年は彼女が大切な贈り物をしてくれた日だった。この日が特別な夜で、大切な人に大切な贈り物をするのだとアルペストゥスも何となく理解をして居たから。
「ぐるうう」
蒼い鉱石を彼女に贈った。寒々しい雪から彼女を護るように身を縮め、傘のように翼を広げる。
巨躯のアルペストゥスがそうすれば小さなリリーはすっぽりと収まった。
「暖かいね」
笑うリリーに「ぎゃう♪」とアルペストゥスは声を跳ねさせた。護るべき小さな仲間の微笑みにアルペストゥスの心もほんわかと暖かくなる。
「プレゼントありがとう。とっても嬉しいよ」
「ぎゃう」
「アルは寒くない?」
「ぐるうう」
「大丈夫?」
「ぎゃう♪」
雪が降る中で身を寄せ合っても、リリーは小さすぎて彼にとっては温もりを余り多く伝えてやれないかもしれない。
それでも、共に過ごす時間が幸せだから。
アルペストゥスはふと空を見上げて「雪が降っていて綺麗だ」と伝えるように尾を揺らして見せた。
*SS担当:夏あかね