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メイ=ルゥのmzpnによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
「……」
「……」
サンタクロースめいた帽子を被った無名偲・無意式校長。
両目をかっぴらいたメイ=ルゥ。
無名偲校長の手には小さなプレゼントボックスが抱えられ、メイはプレゼントと無名偲校長の間を視線で往復した。
「……サンタさん、なのですよ?」
すがるかのような問いかけに、無名偲校長は無言で天井をみあげた。
時は12月24日。シャイネンナハトと呼ばれるイベントは、希望ヶ浜では別の呼び名をもつ。
それがクリスマスであり、クリスマスイブだ。
シティーガールとして生活し学生寮で寝起きするメイはご多分に漏れずクリスマスを楽しみにし、周りがおだやかーな笑顔で肯定する『サンタさんはいるのですよ!』という言説を信じていた。
そしてだからこそ、サンタさんを一目見ようと夜ににがーいコーヒーを飲んだりしてみたのだが……今宵もぐっすり眠ってしまう健康優良児メイなのであった。
だが幸運にも。あるいは不幸にも。そっと音をたてず部屋に入ってきた人影が、メイがたまたま置きっぱなしにしていた玩具に躓き派手に転倒したのだった。
その音にうっすらと目を開けるメイ。
枕元にプレゼントボックスを置こうと手を伸ばした……無名偲校長。
そして、冒頭の状況に至る。
暫く天井を見ていた無名偲校長は、メイの目を見て言った。
「サンタクロースとは12月24日に無償の提供をする聖人の精神をたたえた言葉であって希釈されたサンタクロース概念はそれに協賛する全ての人間に適用される。つまり俺もサンタクロースだと主張する権利をもつわけだな」
「ォ……ォォ……」
完全な大人理論で説明されたメイは、そのまま天井を見つめた。
これが……大人になるということなのですよ……。
担当GM:黒筆墨汁