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雨紅の綾瀬 みゆきによるシングルピンナップクリスマス2021
雨紅の綾瀬 みゆきによるシングルピンナップクリスマス2021
イラストSS
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花満ちるは夜の淵。赤踊るは光の下。
鎧からドレスへ。武器からワイングラスへ。眼光は笑顔の仮面に隠して、赤い口紅は柔らかく弧を描く。
心奪われた芸を活かせる場があるのはとてもいいことだ。赤が血を暗示するのではなく、人々の紅潮した頬を思わせてくれるから。
すらりと伸びた四肢が。しなやかに、美しさを形作る。踊り続ければいいのだと、それだけだと思っていた。けれど、愛している舞で何かを傷つけるという行いは、舞に対する冒涜だろうか。
考えても考えてもわからない。今はその停滞を受け入れる他ないだろう。
何せ今日はシャイネンナハト。誰も彼もが武器を置き、肩を組んで笑い合う。そんな幸せが叶う日。
そうであるならば。このひとときが、皆にとってより良きものにならんことを願って。
「私の踊りも、どうぞ楽しんでいってくださいね」
踊ろう。
繊細なレースのストールを肩から滑らせ、あたかも踊りの道具の一つであるかのように風に触れさせる。
真っ赤なドレスはくるりと回る程に翻って花開く瞬間をとこしえのものにしたかのようだ。軽快なステップと踊り、それに合わせて揺れる衣は天女の羽衣の如く。
嗚呼。とても、美しい。
※SS担当者:染