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アレックス=E=フォルカスの結城ポンタによるおまけイラスト
アレックス=E=フォルカスの結城ポンタによるおまけイラスト
イラストSS
●此の身全てを君に捧ぐ
吐息が白く染まらなくなった。ただそれだけのこと。
震える身体を抱き寄せ合えば、深く繋がりあえるような気がした。
鉄の四肢は酷く冷たいから、触れないで───そんなことはない。美しい、私だけのものだ。
此の身は貴様を護るには細すぎて、時折憎いのだ───そんなことはない。いつだって、たまらなく愛おしい。
ルクトの身体を労るように膝の上に寝かせたアレックスは、薄く笑むとその首に歪んだ絆を刻み込んだ。
「シャイネンナハトの贈り物だ───この鎖は貴様を死から守るだろう」
だが誰かの代わりにその身を捧げるならば、死を引き寄せる。
「故に、命じる───誰かの身代わりになど、なるな。貴様のその鎖は貴様を縛るものではなく、私を人に繋ぎ止める最後の鎖だ。私を想うならば、最期まで生きて見せよ」
アレックスからルクトに贈る、最初で最後の呪い。
「……命令、か。わかった。……私とお前を繋ぐ鎖を……付けてくれ、アレク」
「ああ……背負ってくれ」
「…ところで。その眼帯は、どうしたんだ?」
鎖の刻印は下腹部から肉体へと巻き付くように、ルクトを縛るように伸びていく。
隠すように微笑んだアレックスは俯いて、そのまま───眼下にある小さな少女に、重なった。
※SS担当者:染