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メルナの結城ポンタによるシングルピンナップクリスマス2021
メルナの結城ポンタによるシングルピンナップクリスマス2021
イラストSS
しとしとと雪の降る、シャイネンナハトの日の夜。
表通りは煌びやかな飾り付けとイルミネーションに彩られ、人々は集い、祝祭の夜を彩っている。
肩を寄せ合う恋人達が愛を語り合い、微笑み合うのも、また祝祭の華の一つ。
しかしメルナが居たのは、そんな繁華街から少し離れた、殆ど人通りのない裏通り。
街灯はなく、唯一あるのは空の灯り……強い灯りではなく、何かを静かに護る様な……穏やかで優しい光。
その灯りを一身に浴びながら、メルナは。
「……♪」
小さな声ながら、美しい旋律をその口から奏で始める。
無論、その旋律を聞き届ける者は居ない。
いや……空の灯りだけが、彼女の歌を聴いていただろう。
その歌声を彩るかの如く、空の灯りは射角を変えて、一層彼女を照らす。
……その灯りに彼女はステップを踏み、人の居ない裏通りを左へ、右へと舞う。
長い銀色の髪も、それに合わせる様に虚空を舞う。
誰かへ見せる為では無い……彼女の旋律と舞いは、シャイネンナハトを祝う様なものでもない。
その踊りは……何かから逃れる様な、美しくも焦りを感じさせる様。
しかしその本意を聞く者はおらず、彼女は一人、空の灯り灯るステージで人が来る迄、踊り続けるのであった。
※SS担当者:緋月燕