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アオイ=アークライトのくらいによる2人ピンナップクリスマス2021
アオイ=アークライトのくらいによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
誰に起こされたわけでもないのにリウィルディアは目を覚ました。瞼はまだ重いが冷えた寝室の空気が彼女を徐々に睡魔から遠ざける。
ゆっくりと身を起こして、隣で眠る愛しい蒼へその身を乗り出す。リウィルディアを受け止めてギシリとスプリングが軋んだ。
「……アオイ」
起こさない様にゆるりと実年齢に反して少年の様に幼くあどけない頬を撫でる。
最近目の下のクマがまた濃くなっただろうか、それを指摘すればきっと「そうかな」なんて笑って誤魔化すのだ。
「ん……」
手の中のアオイが身じろいで、慌ててリウィルディアは手を引いた。起こしてしまっただろうか?
恐る恐る顔を覗き込むが、相変わらず規則正しい寝息を立てていたのでほっと胸を撫で下ろす。
ああ、そういえば昨年もこうして二人で幸せな時間を過ごしたのだったか。
「あの時は僕も寝ていたけれどね」
さらりと白絹が零れ落ちてリウィルディアとアオイの表情を隠す。
この寝顔は、手は、身体は全て僕のものだ。
誰にも、この世界にだって見せてやるもんか。
思わず吐き出した独占欲になんと醜いのだろうとリウィルディアは自嘲する。
どうかアオイが起きていません様に。
――そう願った。
※SS担当者:白