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楊枝 茄子子のたかてるによる2人ピンナップクリスマス2021
楊枝 茄子子のたかてるによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
R.O.Oの世界から帰還(ログアウト)出来ずに居た茄子子はシェアキムの誕生日を祝えずに居た。
それでも、彼への誕生日を祝いたかった。
慌て、朝の9時から佐伯 操と共に刺繍をした。布教活動も熟して、聖夜に間に合うように彼の元にやって来たのだ。
「しぇ、シェアキム陛下はその、先々月が誕生日だったと記憶しています。
つまらない物ではないと思いますので宜しければ……」
もう少し『準備』が出来ていれば、こんなにも慌てる必要は無かったのに!
『好きな人』がいきなりPOPして来たのだ。しかも此方は生誕を祝うためのプレゼントまで抱えていて。
緊張しながら手渡せばシェアキムはお布施を受け取る時と同じように胸に手を当てて会釈を返した。
「ああ……これは有り難い。
貴殿もローレットとして日々奔走していたのだろう。だと、言うのに斯うして贈り物を用意してくれる……その心配りに感謝をしよう」
頷いたシェアキムに茄子子の頬が赤らんだ。
ハンカチの刺繍は気に入ってくれるだろうか。贈り物を受け取ってくれただけでも嬉しいけれど――
そこに込められた思いは告げられないまま。紡ぐ言葉も出ないまま。ああ、恋する乙女って難解なのだ。
*SS担当:夏あかね