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輝く夜のための紅白歌合奏
輝く夜のための紅白歌合奏
イラストSS
からころりんりん、ベルが鳴る。光り輝く大樹の上で、友人二人はハンドベルを鳴らす。
聖夜の演奏会に始まったデュエットは、まるで二人そのものがオーナメントのよう。
「眞田さん、お上手です」
「見様見真似でも案外出来るね、これ」
経験者であるコユキアが褒めれば、あまり経験のない眞田も笑顔で返す。こういう時に一番大切なのはノリ、楽しければいいんだ。
青いサンタクロースの異名を持つ娘は、木に登って演奏しようと提案した友人のアイデアに驚いたけれど。此処から見下ろすイルミネーションの美しさ、足を止めて此方を見上げ笑顔を見せる人々の姿に嬉しくなる。
だいすきな聖夜を、だいすきな友達と一緒に演奏会。
紡がれる歌声と、リズムよく鳴るベルの音。はらはらと舞う粉雪と共に奏でられる音楽の数々は、この季節にピッタリの曲ばかり。
「皆さんにとって、素敵なシャイネンナハトになりますように!」
「楽しい夜にしようねー」
観客達に呼びかける二人に、こども達が手を振り返す。
「ボタンさん、まだ歌えるよね」
「ええ、もちろん」
素晴らしい聖夜に歌声を。全ての人々に幸福を。そんな願いの籠った歌が、雪降る夜に響く。
からころりんりん、ベルが鳴る。あなたに届けと、セッションは続く。
※SS担当者:遅咲