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ねえこれ食べられるの?ねえ!
ねえこれ食べられるの?ねえ!
イラストSS
久夛良木・ウタはカフェの席に座り、びちびちとおしゃれプレートを跳ねるタイ焼きことベーク・シー・ドリームを掴んでいる。
いったいどういう仕組みなのか。どのへんに餡が詰まっているのかと、ひっくり返してはながめ、日にすかしたりして、ほうほうと頷いている。好奇心いっぱいのウタに見られるのはいろんな意味で(※食料的な意味で)……かなり緊張するのだが。しまいには隣の席の客が「アレと同じモノを」と、注文し始めた。
唯一無二である。
「あ、あの、どうですか? わかりましたか?」
「わかったー」
返答にほっとするベーク。まな板の上の魚というのはきっとこんな気持ち、なんだろう。ともかく命だけは助かったらしい、と、思ったところで、である。
「うん。見た目は分かった。ねえこれ食べられるの?」
「へえっ!?」
ベークの尻尾を引っ掴んで、キラキラしながら尋ねるウタ。
これは、まずい、抵抗としてびちびちと跳ねてみるがベークは逃げられない。
この世は弱肉強食である。
「頭からいけばいい? 尻尾からいけばいい?」
終わりだっ――。
それから、ベークが九死に一生を得たかどうかは。広い海の神のみぞ知るといったところである。
※SS担当者:布川