イラスト詳細
こんなにもあたたかい君と、
こんなにもあたたかい君と、
イラストSS
薄暗い冬の公園でベンチに座る廻は悴む手にはぁ、と息を吹きかける。
遠くに見える灯りは街のイルミネーション。
廻はクリスマスカラーに彩られた街やお祭りの雰囲気が好きだった。
スマホを見れば、眞田から少し遅れるとメッセージが入っている。
大丈夫ですよと返信をして、ぼうと遠くの灯りに視線を移した。
待つ事は慣れているし、わくわくとした気持ちになるから案外楽しい時間だ。
ほんのりと触れた頬の熱。
「わ!?」
何か温かいものが突然顔に当たり、廻は驚いて振り返る。
其処には待ち人である眞田がココアの缶を持って微笑んでいた。
「お待たせ、燈堂君」
「びっくりしましたよ。足音も全然しなかったし」
眞田からココアを受け取った廻は、彼が来てくれた事が嬉しくて顔を綻ばせる。
「それで温まったら、イルミネーション見に行こっか」
「はい」
隣に腰掛けた眞田はココアに口を付ける廻に「今年も色々あったね」と紡いだ。
「お疲れ様だ。ちょっと早いけど来年も仲良くしてね燈堂君」
「こちらこそ、眞田さんともっといっぱい遊びたいです!」
勢い良く振り向いた廻にくすりと微笑んで、眞田は彼の頭をくしゃりと撫でる。
願わくば、お互いが健やかな笑顔で、来年も友達でいられますようにと。
星降る夜の約束を――
*SS担当:もみじ