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輝かんばかりのこの焚き火に
輝かんばかりのこの焚き火に
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パチパチパチパチ……。
ちらちらと舞う雪の中、焚火によって設置された小枝が音を立てる。その周囲は熱の為か、焦げ茶色の地面が見えていた。
焚火の上に設置された鉄鍋もまたぐつぐつと音を立てており、とろみのある具だくさんのシチューが湯気を立てていた。
その傍らに灰色の毛皮のコートを着込んだバクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)があぐらを組み、焚火を見つめつつ酒瓶のブランデーを口にする。
「おや……」
ほろ酔い気分の彼の近くには少しずつ、白や灰色の毛並みの狼が集まり、腰を下ろす。
狼らに敵意は一切ない。それどころかバクルドに優しい視線を投げかけ、落ち着いた様子で暖を取っていたようだ。
「火を恐れないとは……」
狼達はこの場に一切害がないと察したからこそ、警戒心を解いてどこからか持ち寄った肉を食んでいる。中にはうつらうつらと眠り始める狼までいた。
そんな狼達へとバクルドは微笑を浮かべ、さらにブランデーを煽る。
雪降る雪の上ではあるが、焚火を中心としたその場はとても穏やかで安らぐ。
夜が更けるまで、バグルドも狼達も安らいだ表情でその場に留まり、聖夜を過ごすのだった。
※SS担当者:なちゅい