イラスト詳細
温温
温温
イラストSS
ラノール・メルカノワ(p3p000045)とエーリカ・メルカノワ(p3p000117)はおでかけの準備だ。
エーリカがお出かけ用の髪飾りを選んでいると精霊がいたずらをしてくる。
「ほら、ちゃんと暖かくしないとってそいつも言ってる」
少し薄着なのが気になる。
外はこの暖かい家とは違って寒いのだ。
「このセーターもきて」
「うん」
「それからこのストールもまいて。それからコートはこれで」
「ちょっと、まって?! こんなに着たらもこもこのくまさんに、なっちゃう」
焦りはじめたエーリカをラノールはにっこりと笑って抱きしめる。
「私の大切なひとが風邪でもひいたら困るからね」
かしまし三人娘がキャーキャー騒ぎはじめる。
「もう……」
「さあ、仕上げだ」
ふんわりとラノールの愛情(マフラー)がエーリカを包み込んでいく。
背を屈めて小柄なエーリカのおでこにこつんと自分のおでこを重ねる。
「あのね、これじゃあ、あなたしかみえないの」
「それは重畳。私のかわいい君の視界は私だけのものだ」
なんていつものやりとり。
いつものえがお。
二人にとってその当たり前が幸せだときづいたのはいつからだっただろうか?
家の外に出れば一面の銀世界。
ましろのキャンバスのその世界を二人が進めばふたりぶんの足跡。
こうやって、一つづつ色を置くように生きていく。
まだふたりの幸せのキャンバスは色を置き始めたばかり。
何十年もあとに振り返れば幸せを描いた絵画が完成しているのだろう。
※SS担当者:鉄瓶ぬめぬめ