イラストSS

　街は輝かんばかりの光に包まれて。人々は喧騒を奏でて。
　そんな聖夜が彩る街の一角で、より一層輝く舞台があった。その周囲には濃密な人混みがあり、皆カラフルなペンライトを振り上げている。
「みんなー！　たのしんでるー？」
　善と悪を敷く 天鍵の 女王ことレジーナが舞台の上から笑顔を振り撒いて。そうすると割れんばかりの歓声が上がる。
「ありがとー！　私たちもたのしい！」
　その隣でミニュイが声を張れば、観客も嬉しそうにペンライトを振って応える。
　二人は今宵はアイドルのコスチュームを身に纏って。シャイネンナハトで彩られる街は寒いけれど、その一角を熱気で包み込んで。
　そこに集まる人は、皆頬を紅潮させて。まるで寒さが吹き飛んでいるよう。
　そんな観客を見るのが二人は嬉しくて。観客の声援に応えるように、一生懸命声を張り上げて。
「それじゃ一緒に盛り上がろう！」
「もっと上げていこう！」
　レジーナとミニュイは顔を見合わせて、笑って。それがステージを見上げる観客にも伝わり。
　やがて音楽が舞台に鳴り響き、合わせてステップを踏み、二人は歌い出す。
　聖夜は熱に浮かされて、熱狂は街に響き渡って。
　祭りは夜が明けるまで続いた。


　※SS担当者：灯火