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イラスト詳細

グドルフ・ボイデルのしもふりによるおまけイラスト

作者 しもふり
人物 グドルフ・ボイデル
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 その日は足がすくむほど凍える夜だった。
 丘の上の、誰が建てたのかも分からないような寂れた教会。
 こんな雪の日では余計に誰も訪れることもないであろう僻地にて、女は立っていた。 その穏やかな面立ちに静かすぎる微笑を湛え、祈りを捧げているようだった。 ふと、女に音もなく近寄る影がある。白い髪ながら若々しく立派な体躯の男であった。 男は女に並び立つと、無言のまま十字を切って祈りを捧げた。
「私のような者が、このような平穏を享受すべきではないと分かっていても──」 「たった一日だけ、誰しもが傷付かない日──永遠に、続けば良いのにと。そう、思いますか?」
 男は生き残った者である。
 そして生き残った者はどうすべきなのか、果てに続く罪悪がその身を焦がすのか、はたまた。 数多くの冒険と引き換えに、背後に積み上がったのは仲間の死体であった。 女は男へ恋慕した者である。
 恋慕したが叶うことのない恋ならば男を見守る女に徹した方が善いと判断できる賢女でもあっ た。
 女もまた、背後に積み上がった死体を見ていた。
 二人が祈ったものは、もしかしたら自分たちのエピタフだったかもしれない。


 ※SS担当者:桜蝶 京嵐

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